近鉄では、統合型リゾート(IR)の整備と、2025年の万博開催が計画されている夢洲(ゆめしま)から、沿線各地を直通で結ぶ列車を計画している。ただし、夢洲への延伸工事が進む大阪メトロ中央線・近鉄けいはんな線と直通先である近鉄奈良線とでは集電方式が異なることから、直通列車は両方の集電方式に対応する必要があった。
近鉄けいはんな線から地下鉄中央線に乗り入れた近鉄7020系。複線間に第三軌条があり、逆に上空に架線はない。
‘16.9.20 大阪市交通局中央線 弁天町 P:松田信彦
(鉄道投稿情報局より)
その直通列車に必要な、可動式第三軌条用集電装置の試作品が完成し、各種試験に着手する予定となったとのこと。この可動式第三軌条用集電装置は、架空電車線の区間では走行に支障する集電靴を、折り畳んで収納する機能を備えている。
(プレスリリースより)
図を見ると、収納時には集電靴を斜め上方に跳ね上げることで、奈良線の車両限界に収めていることが分かる。
■Osaka Metro中央線・けいはんな線と奈良線での集電方式の違い
(プレスリリースより)
■可動式第三軌条用集電装置開発参画企業
近畿日本鉄道のほか、近畿車輛株式会社、Schunk Transit Systems GmbH、シュンク・カーボン・テクノロジー・ジャパン株式会社、株式会社ニシヤマの各社。
■路線略図
(プレスリリースより)