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補機専用機、これにて完全引退! EF67形式直流電気機関車 さよならセレモニー、開催される

2022.03.29

text & photo:RM
取材日:’22.3.29 場所:広島貨物ターミナル
取材協力:日本貨物鉄道関西支社広島支店

 2022年3月29日、JR貨物の広島貨物ターミナルにて「EF67形式直流電気機関車 さよならセレモニー」が開催されました。これは、去る3月12日のダイヤ改正をもって定期運用から正式に外れたEF67形への、長年の功績を称えて行われたものです。

▲広島の県木・モミジをイメージした朱色の塗色が独特だったEF67形。写真は2エンド側から見たところで、編成後端となる側に記念のヘッドマークが取り付けられた。

 山陽本線の急勾配区間・瀬野~八本松の通称「セノハチ」を克服するため、上り列車にだけ補機として連結(実際に連結されるのは広島(タ)~西条間)される特殊な機関車。この区間は最大22.6‰の連続急勾配となり、古くから後押しの補機が必要とされており、代々専用機としてEF59形やEF61形200番代が運用されてきました。

▲1エンド側から見たところ。貨車を後押しする側で、連結器の根元に緩衝装置が設けられ、それをカバーする出っ張りがある。

 EF67形は1982年に登場の0番代3両(1~3)、1990年に増備車として登場の100番代5両(101~105)の計8両が改造により誕生。種車はEF60形(0番代)またはEF65形(100番代)で、赤い塗色が非常に特異なものとしてファンには愛されてきました。

▲写実的なイラストと、22.6‰の勾配票が描かれた記念ヘッドマーク。

 後継機としてはEF210-300番代が当たっていますが、この形式は補機専用ではなく、通常の本務機としての運用を担いつつ、補機の仕業にも就くという新しい運用方法となっています。

▲長年走り慣れたセノハチ区間を、コンテナ満載の1056列車を後押しして進むEF67 105。本来この運用はEF210-334が入るものだったが、本日限りの代走に入った形。

 EF67形は2021年度初頭時点で事実上105号機1両だけの稼働となっており、2022年2月中旬に実質的に運用は終了していました。本日は同機が広島貨物ターミナルでのセレモニー後、最後のご奉仕となる1056列車の後補機運用で広島(タ)(14:32発)→西条(15:07着)まで走行。当列車の本務機でEF67形のラストパートナーとなったのはEF210-332で、奇しくも、セノハチの補機としての後輩にも当たる機関車でした。西条到着後、15:27発で単機回送として折り返し、16:01に広島(タ)に到着。これにて「セノハチの補機専用機」の歴史にピリオドが打たれたのです。

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