JR東日本は、列車の安全性向上や将来のドライバレス運転で必要とされる技術として、車両前方にステレオカメラを搭載して障害物をリアルタイムで自動検知するシステムを開発している。これまでは、車両に適したカメラの開発や画像処理の精度向上のため、首都圏で走行試験を行ってきたが 、2022年度はカメラと画像処理装置の小型化開発を行い 、走行試験を実施する。その後、2023年度からは営業車両に搭載し、通常走行時のデータの蓄積と機能改善を実施する。詳細は以下の通り。
’22.1.27 東北本線 南浦和 P:玉木裕一
(鉄道投稿情報局より)
■システムの特徴
車両の前方に搭載した2台のカメラ画像から、画像処理装置がステレオカメラの技術を用いて画像解析を行い、物体までの距離を計算することにより、列車が走行する線路内の障害物をリアルタイムに検知する。鉄道車両に適した専用カメラを開発し、車両の揺れによる影響が少ない画像を得ることができ、障害物の誤検知が少なくなっているほか、トンネルや夜間など、明るさの変化に対応できる画質調整も可能になっている。このシステムは、MUE-Trainや、京浜東北・根岸線の車両に搭載し、2020年2月から本線上で走行試験を行っている。
※MUltipurpose Experimental Train(多目的試験車)209系電車を改造した在来線用試験電車
(プレスリリースより)
(プレスリリースより)
(プレスリリースより)
■今後の予定
首都圏におけるさまざまな場所での試験を行い、さらなる性能向上に向けた開発を継続し 、本システムを安全性向上につながる乗務員の運転支援やドライバレス運転に適用することを目指す。