アルピコ交通では、東武鉄道から20000型の譲受を受けた新型車両1編成の改造を施工中であったが、この度その第一編成が同社新村車両所にて姿を現した。
▲新島々側の車両「クハ20102」。元の中間車に運転台を新設した成り立ち。
東武20000型は地下鉄日比谷線乗り入れ用の18m級電車で、既に70000型に置き換えられて地下鉄乗り入れ運用からは撤退。一部車両が短編成化などの改造の上で東武でのローカル線運用などに就いているが、この度1編成がアルピコ交通に譲渡されたもの。ステンレス製18m級3扉車という、地方私鉄では運用しやすい車体を持つことも、白羽の矢が立った一因かと思われる。いずれにしろ、東武の車両が他社に譲渡される事例は近年では極めて珍しい。
▲アルピコ交通としては初めてスカート付きとなった。また、幅の狭いスノープラウを装備している。
譲渡されたのは中間車2両で、これに新たに運転台を追設した構造。系列名は20100形、2両編成で新島々側が「クハ20102」、松本側が「モハ20101」と付番される。運転台の形状は新設されたものだけに東武20000型のそれとはまったく共通性はなく、平面的で機能優先のもの。灯火類は窓上部にまとめ、腰下部分には特に何もない形状となる。彩色はまだ施されておらず、どのように仕上がるのか楽しみなところだ。
▲松本側車両(モハ20101号車)が、入場中の3000形3008号車と並ぶ。
本年3月の運行開始に向け、年明けから本格的な整備が始まるとのことである。
画像提供(3点共):アルピコ交通