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川崎重工業の車両カンパニー、分社化し10月から川崎車両へ

2021.04.02

 我が国の主要鉄道車両メーカーのひとつ、川崎重工業株式会社は、同社内で鉄道車両製造を担う「車両カンパニー」を2021年10月をもって分社化する旨を発表済であったが(2020年11月2日付け発表)、3月31日、その分社化に向けて「子会社への承継に係る吸収分割契約」が締結されたと発表した。

‘18.1.25 川崎重工業兵庫工場 P:神崎雅之
今日の一枚より

■本分割の目的(プレスリリースより引用)
 鉄道システムは、環境に優しく日常生活に密着した公共交通手段として、人口集中による大都市の混雑緩和や環境対策のための都市交通整備、アジア諸国の経済発展に伴う鉄道インフラニーズなど、今後も世界的に安定した市場成長が見込まれる一方、足元では新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内では乗客数減少に対応した投資計画の見直し、海外では新線の建設工事の遅れが現実となりつつあります。
 このような認識の下、鉄道システム全体におよぶ需要とそのソリューションに対応すべく、業界関係各社との連携・協業含め、機動的かつ柔軟に取り組んでいく体制を整えるため、本分割を実施するものです。

■ざっくり言うと…
1. 
車両カンパニーの分社化後の受け皿となる新会社「川崎車両株式会社」を2021年3月10日に設立。現時点では分社のための準備会社であり、まだその内実はほとんど存在しない。

2. 川崎重工業株式会社内「車両カンパニー」が行う事業およびその権利義務を本体から分割し、川崎車両株式会社に吸収させるという契約が、2021年3月31日に締結された。

3. 契約の効力が発生する、すなわち分割と吸収が行われるのは、2021年10月1日を予定。

4. 新会社が承継する事業内容は、各種鉄道車両、産業車両、特殊車両、鉄道システム、除雪機械等およびそれらの部品の設計、開発、製造、修理、解体ならびに販売および賃貸借に関する事業等。

「川崎車両」という会社名について
 今回、川崎重工業から分社で誕生する「川崎車両」だが、歴史を紐解くと以前にも独立した鉄道車両メーカーとして「川崎車輌株式会社」(「両」が旧字の「輌」)が存在していた。

○1878年 現在の川崎重工業の祖業である川崎築地造船所創業。

○1896年 株式会社川崎造船所創立。近代的な株式会社化。

○1906年 神戸市に工場を新設し、鉄道車両製造を開始。この工場が、現在の兵庫工場の前身となる。

○1928年 鉄道車両部門が分離され、川崎車輌株式会社設立。

○1969年 川崎重工業・川崎航空機工業・川崎車輌が合併し、新たに川崎重工業株式会社が設立される。

 以上の経緯により、「川崎車輌」は1928~69年の41年間存在した会社名であり、今回、52年ぶりに復活することになる。

🔶詳しくはこちら
🔶車両カンパニーの沿革について
🔶川崎重工業ウェブページ

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