株式会社NTTドコモとJR東日本は、新幹線試験電車(ALFA-X)による第5世代移動通信方式(以下、5G)の無線通信実験において、実証実験としては国内最高速度である時速360km で成功したと発表した。
’20.12.25 東北新幹線 郡山 P:厚海 陽
(鉄道投稿情報局より)
■実験内容
●実験概要
・ 東北新幹線の仙台から新青森間の一部区間の沿線に実験用 5G 基地局 2 局を約 900m 離して仮設置した 5G 実験エリアを構築。
・ ALFA-Xに実験用5G移動局を搭載し、国内最高速度の時速 360km で実証実験を実施。
●5G 実験装置
・3GPP 国際標準仕様に準拠した 4.85GHz 帯(帯域幅:100MHz)の新たな実験装置を使用。
・電波の放射エリアを特定方向へ集中させるビームフォーミング機能と、電波の放射方向を制御するビーム追従機能、ドップラー効果による周波数の遷移を補償する機能を搭載。
・5G無線通信を維持したまま接続先の基地局を瞬時に切り替えるハンドオーバー機能を適用し、切り替えタイミングを最適化。
▲実験システム構成(JR東日本プレスリリースより)
●5G を介した高精細映像伝送実験
・4Kと8Kの映像伝送装置を基地局およびALFA-X内の移動局に接続。
・4K と 8K の映像コンテンツをダウンロードおよびアップロードする実験と、双方向にストリーミングする実験を実施。
▲実験概要図(JR東日本プレスリリースより)
■実験結果
時速 360 ㎞において以下の実験に国内で初めて成功
●5G 無線通信実験
・ 移動局の受信時最大 500Mbps、送信時最大 100Mbps の通信速度を達成。
・ 100Mbps 以上の通信速度を保ったまま、通信基地局を切り替えるハンドオーバーに成功。
・ 2 つの基地局を用いて、安定的に 100Mbps 以上の通信エリアを約 5km 構築。
●高精細映像伝送実験
・ 4K 映像コンテンツのダウンロード、アップロード、ストリーミングに成功。
・ 8K 映像コンテンツのダウンロード、アップロード、ストリーミングに成功。