京阪電気鉄道株式会社は、2020年11月5日に発表した「京阪グループにおける今後の事業の方向性」に基づき、「新常態」を見据えた衛生対策の強化に資するサービスの拡充をはじめとしたサービス向上に向けた施策を展開すると発表した。
▲13000系車両(京阪電鉄プレスリリースより)
■多情報連続式自動列車停止装置(ATS)の京阪線全線への導入
京阪線において多情報連続式自動列車停止装置(ATS)を順次導入してきたが、2021年1月9日(土)に京阪線での導入を完了した。
なお、本装置は、走行中の列車の速度を常時確認するほか、踏切や駅での異常発生にも対応するなど、従来にも増して保安度が向上している。また、2021 年 3 月には寝屋川・淀両車庫でも導入を予定しており、これをもって京阪線全線への導入が完了となる見込み。
▲多情報連続式自動列車停止装置(ATS)(京阪電鉄プレスリリースより)
■13000 系5次車の導入
京橋駅1・2番線におけるホームドア設置(2021 年度中竣工予定)に伴い、2021 年2月以降 5000系車両を順次置き換えるもので、2021 年6月頃の置き換え完了を予定しています。
▲置き換え対象となる京阪5000系。
‘20.12.20 京阪電気鉄道 本線 土居 P:ふくしま・さぎす
(「技術の京阪」が生み出した名車を体感! 京阪5000系50周年記念イベントより)
●導入数
6編成36両導入
●導入時期
2021年2月~6月(予定)
●13000系5次車の主なポイント
・乗降用扉の上部に設置したセンサーにより、閉扉時における傘や杖などの挟み込みを乗務員に知らせる、「戸挟み検知装置」を新設。
・通勤型車両としては初めて車内防犯カメラを1車両あたり3ヶ所設置。
(京阪電鉄プレスリリースより)
・乗降用扉上部(車内)に「広告用デジタルサイネージ」(1 車両あたり 3 カ所)を設置。
※すでに導入済みの 13000 系(7 両編成)49 両についても、2022 年度中に「広告用デジタルサイネージ」の設置工事完了予定。
■6000系車両のリニューアル
1983 年~1993 年にかけて導入した 6000 系車両について、2013 年度よりリニューアルを進めており、2021 年度はさらに 2 編成 16 両をリニューアルする予定。
▲京阪6000系(リニューアル前)
‘08.8.22 京阪電気鉄道 京阪本線 森小路 P:宗則克彦
(鉄道投稿情報局より)
●リニューアルのポイント
・車いすスペースや液晶型車内案内表示器、誘導鈴・ドアチャイム・開閉予告灯の設置。
・内装材の取り替えや座席の更新。
・2020 年度のリニューアル車両から乗降用扉上部(車内)に「広告用デジタルサイネージ」の設置を開始。
(京阪プレスリリースより)
※これまでに 14 編成112両中、10編成80両のリニューアルが完了。
※2022 年度中に 6000 系リニューアル済車両全編成への設置工事完了予定。
■車両における安全性向上の取り組み
●「ホーム検知装置」搭載車両の拡大
京阪線一部編成ならびに大津線全編成において使用している、ホームがない箇所で開扉状態になることを防止する「ホーム検知装置」の搭載車両を拡大。
○搭載編成(1月26日時点)
京阪線:3000 系、10000 系、13000 系は全編成、6000 系は 5 編成、8000 系は 2 編成にそれぞれ搭載(今後順次拡大予定)
大津線:全編成
●「転動防止ブレーキ」の導入
2018 年より京阪線・大津線における車両への、開扉状態の際に自動的にブレーキを動作させる「転動防止ブレーキ」導入が、2021 年度中に全編成への導入が完了する予定。
■新常態に即したサービスの拡充
●「プレミアムカー券」「ライナー券」の非対面販売
・特急停車駅のプレミアムカー乗車口付近を中心としてキャッシュレス券売機を設置
(京阪プレスリリースより)
・Web サイト「プレミアムカークラブ」での購入時にポイントを付与する「京阪プレミアムカークラブポイント」サービスを導入
●ICカード利用率のさらなる向上にむけて
・磁気定期券の発売を 2021年3月19日(金)に終了し、定期券サービスを改札機にかざすだけで通過できる IC 定期券に集約。
・回数券の利用を2021年3月末で終了し、利用回数等に応じた割引制度を、IC カードを対象とした割引サービスに集約。
※割引サービス:「PiTaPa 利用回数割引(京阪線)、PiTaPa 利用額割引(大津線)」、「京阪電車ポイント還元サービス(導入済み)」