JR東日本大宮支社は、日光線で使用している205系のうち1編成を観光利用向けに改造し、「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーン開催にあわせて、2018(平成30)年4月から日光線に投入する。 車輌の愛称は”いろは”で、日光の名所の一つである「いろは坂」と「物事のいろは」を掛け合わせている。 外装デザインは、日光線沿線の魅力を取り入れるとともに、日光線のイメージである「レトロ」を意識したデザインとし、日光エリアの自然や観光リソース(キスゲ、華厳の滝、男体山、中禅寺湖)、日光社寺の彫刻で扱われるさまざまな動物(龍、鳳凰、唐獅子)をモチーフとしたイラストを車体側面に配置する。また、カラーリングは和の色使い(黒色、黄金色、灰桜色など)で、インバウンドの利用客を意識したジャポネスク風かつモダンなデザインとされる。▲205系改造車”いろは”のエクステリアデザインイメージ。片側2扉車となり、車体側面には日光をイメージさせるモチーフのイラストが配置される。 画像提供:JR東日本大宮支社(以下画像5点とも) 車内の内装は木目調となり、シートモケットは日光線の路線カラーである「クラシックルビーブラウン」をベースとした配色とされ、クロスシート(乗降口付近はロングシート)が配される。また、優先席付近を除き、木を使用した吊手に変更するとともに、客室内蛍光灯をLED化するとともに、ドア上に外国語表記対応の案内表示器を新設する。 このほか、車いすスペースを1ヶ所から2ヶ所に増やしてバリアフリーを強化するとともに、Free Wi-Fiを提供して利用客が観光情報を得やすくする。▲(左)クロスシート(ボックスシート)が配置される”いろは”の客室内イメージ。(右)大型荷物置場も設置され、出入台付近には木を用いた吊手が設置される。▲(左)車端部に設置されるフリースペース。ドア上には案内表示器も設置される。(右)”いろは”のロゴマーク。いろは坂の頭文字「い」をモチーフに、いろは坂の48のカーブを表現する48色で彩りを加えている。背景は日光線の路線カラー「クラシックルビーブラウン」を配し、形状はいろは坂の頭文字の「I」とレールの断面をイメージさせる形状としている。▼車輌側面に配されるモチーフ(イメージ)。左より「龍」、「華厳の滝」、「キスゲ」、「鳳凰」、「男体山・中禅寺湖」、「唐獅子」。 この205系改造車”いろは”は、2018(平成30)年4月1日の運転開始予定で、日光線の定期列車として運転する。なお、さまざまな観光需要の高まる時期などでは、栃木県内を中心とした路線で臨時列車として運転する場合もある。●JR東日本 ウェブサイト