山陽電気鉄道は5月19日、3000系の代替車輌として6000系を導入することを発表した。同社が新型車輌を導入するのは、5030系以来19年ぶり。『環境にやさしく、安全・快適な車内空間の提供』をコンセプトとし、普通車運用から2編成を連結した直通特急運用まで幅広く対応する。▲6000系の外観イメージ。 画像:山陽電気鉄道 ニュースリリースより(下画像とも)▼ガラス仕切板などを採用した客室内イメージ。 6000系は3輌編成(Mc-T-Mc)で、定員は先頭車が122名(座席定員41名)、中間車が135名(座席定員49名) デザインコンセプトは『継承と挑戦』とし、外観デザインは、コーポレートカラーの「赤」を継承し、より深みのある「イノセンレッド」を採用することで、既存車輌との調和を図るとともに、さらなる躍進をアピールする。 また、車体側面のドア横には、朝日をイメージしたオレンジのグラデーションをデザインし、挑戦し続ける姿勢を表現している。 インテリアデザインは、ガラス仕切板などを採用して開放感のあるクリアでスマートな印象とし、座席シートは、外観と調和させた「赤」を用いて、柄模様には沿線に可憐に咲く兵庫県花の「のじぎく」を採用している。これにより、華やかでありながら落ち着いた車内空間を演出する。 6000系は、電力回生ブレーキの使用範囲を拡大したVVVFインバータ制御装置を採用し、前照灯や室内灯を含むすべての照明装置をLED化して消費電力を削減(3000系に比べて電力量約40%削減)、アルミニウム合金の車体外板無塗装により環境負荷を低減する。 さらに全閉外扇型誘導電動機を採用してモーター駆動音を低減するとともに、フラット防止機能付きブレーキシステムを搭載し、走行中の騒音だけでなく、乗り心地の向上も図る。 安全対策としては、台車単位のブレーキ制御できめ細やかなブレーキを実現するとともに、故障時のバックアップ機能も強化するほか、座席端部の仕切板の大型化や握り棒増設により、乗客と車内設備および乗客同士の衝突を防止する。さらにドア閉時の挟み込み対策として戸挟制御機能を設け、ホームからの転落防止対策として、6輌連結時には先頭車間に転落防止ホロを取り付ける。 一方、快適な車内空間を提供するために、客室内に車いす・ベビーカースペースを全車輌に設け、優先座席部分はシートを青色、吊手をオレンジ色にして明確化を図る。このほか、出入口をわかりやすくするため、誘導鈴とドア開閉予告灯をすべての出入口に設け、車内側ドア両端部と足元マットに黄色を配し、車外側はドア全体を赤色とする。 車内案内表示器は、液晶式のものを1輌に3か所設け、行先・駅名マップ・乗換案内・ドア開方向などの情報をわかりやすく表示し、日・英・中(繁体・簡体)・韓の4か国5言語表示対応となる。 この6000系は、2015年度は3輌2編成を新造する。●山陽電気鉄道 ウェブサイト