JR東日本では、このたび、これまでの技術開発成果を取り入れた次世代の新型通勤電車(E235系)の量産先行車を製作することを発表した。
量産先行車「11輌編成(うち10輌新造、1輌改造)」は、2015年3月以降落成し、走行試験を行い、2015年秋頃から山手線で営業運転を開始する予定。
▲E235系量産先行車外観イメージ。
P:JR東日本ニュースリリースより
◆デザインコンセプト
キーワード「お客さま、社会とコミュニケーションする車輌」
・前面の大きな窓や表示装置で、人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓を表現。
・居住空間を広く感じさせるオープンなデザインとする。
◆量産先行車の主な特長
(1)お客さまサービスの向上
・中間車の優先席を増設し、併せて優先席の視認性を向上。
・車いすやベビーカーを利用する方のための「フリースペース」を各車輌に整備。
・広告媒体をデジタルサイネージ化(液晶画面化)し、トレインネット環境を整備。
・腰掛幅を1人当たり1cm拡大(45cm→46cm)
・前面と側面の行先表示装置をフルカラー化。
(2)環境性能の向上
・主制御器に次世代半導体素子(SiC)を採用して、電力ロスの低減およびブレーキ時の回生エネルギーを増加させ、車輌の消費電力をさらに抑制する。
・潤滑や冷却で使用するコンプレッサ油を不要としたオイルフリーコンプレッサ(電動空気圧縮機)を搭載し、環境負荷を低減する。
・LED照明を採用。
(3)さらなる安全性・安定性の向上
・車体強度の向上(耐オフセット衝突構造)、改良型戸閉装置の採用等により、更なる安全性向上を実現。
・車内、車外間の情報ネットワークを強化し、常に機器類の状態監視を行うことにより、故障の予兆を把握し、事前に対処することで更なる安定性向上を実現する。
・線路および電力設備の状態監視装置を試験的に搭載し、営業車輌から地上設備を監視することで更なる安全性、安定性向上の実現に向けた技術開発を推進する。
・主要機器を2重系化。