東日本旅客鉄道では、東北エリアへの旅行を活性化することを通じて、復興支援と地域の活性化に取り組むにあたり、その一環として乗ること自体が目的となる新しい列車「Tohoku Emotion」を本年秋以降に八戸線での運転を予定している。
「Tohoku Emotion」は、デザイン、食、アート、景色など様々な魅力を持つ列車となる予定で、特に「食」については、列車全体が「レストラン空間」という中で、今までの「列車での食事」を超える時間を提供する。
○メニューを監修するシェフ
「Tohoku Emotion」のメインコンテンツとなる「食」について、原田慎次氏と伊藤勝康氏の2名のシェフによるメニューの監修を行い、シェフの感性と地元・地域の食材の融合が生み出す新しい東北の「食」を提供する。
○列車内空間について
「Tohoku Emotion」の列車内空間については、鄭 秀和氏(インテンショナリーズ)によるインテリアデザインとなり、岩手県久慈の「琥珀(こはく)」や青森県の「こぎん刺し」のほか、東北地方に広がる様々な伝統や技術・素材をモチーフとして採り入れる予定。
○車内の「アート」を担当するアーティストについて
「Tohoku Emotion」は食だけでなく「アート」についても、新しい東北を発見・体験できるようにこだわっている。BGMやメディアアートを担当するアーティストはミュージックディレクションに半沢武志氏、メディアアートに高橋匡太氏が担当する。
○車輌について
東北地方を中心に運転されているキハ110系車輌をリノベーションしたものとなる。
1号車はコンパートメント個室車輌で、7室のコンパートメント個室席を設け、壁面ファブリックは「刺子織」(福島)をモチーフとした意匠とする予定。
2号車はライブキッチンスペース車輌で、キッチン背面は「こぎん刺し」(青森)、カウンター壁面は「南部鉄」(岩手)や「南部姫鞠」(青森)をモチーフとした意匠とする予定。
3号車はオープンダイニング車輌で、床は「こぎん刺し」(青森)、照明は「琥珀」(岩手)、什器の仕上げ材は「雄勝硯」(宮城)をモチーフとした意匠とする予定。
○運行線区
東北エリアの中から、海を見ながら食事を楽しめる八戸線の八戸―久慈駅間を予定。
○専用HPのオープン
「Tohoku Emotion」の世界観を感じられる専用HPをオープンする。秋以降の運転開始に向け、今後様々な情報を掲載していく。