JR東日本では、非電化区間の新たな環境負荷の低減方策として「蓄電池駆動電車システム」の開発を進め、“NE Train スマート電池くん”を使用した走行試験等により、性能評価や技術的検証を重ねてきたが、実用性の確認を終了したことから、「蓄電池駆動電車システム」を採用した新型車輌の先行車2輌1編成を烏山線に導入する。
導入されるのはEV-E301系で、「EV」は「Energy storage Vehicle」の略。EV-E301形(Mc)とEV-E300(Mc’)から成り、Mcにパンタグラフを搭載。電化区間では通常の電車と同様に架線からの電力により走行すると同時にMc、Mc’に搭載の大容量蓄電池(リチウムイオン電池/600V-95kWh)に充電。非電化区間では蓄電池の電力で走行し、烏山駅に設置する専用の充電設備において走行に必要な充電を行なう。また室内照明についてはすべてLED化し、消費電力の低減を図る。
EV-E301系は、2014(平成26)年春頃に烏山線(宝積寺―烏山間)、東北本線(宇都宮―宝積寺間)で営業運転を開始する予定で、最終的には、烏山線の気動車全てを新型車輌に置き換える予定となっている。
なお、CO2削減(対気動車約60%削減)等の環境負荷低減効果が期待でき、線区長さも蓄電池搭載容量に適しており、かつ直流電化区間との直通運転を行えるメリットがあることから、先行投入区間として烏山線が選定されている。
▼新型蓄電池電車EV-E301系の外観イメージ。片側3扉(両開き)で腰掛はロングシート。最高速度は100km/h。定員はMcが134(51)名、Mc’が131(48)名。※( )内は座席定員
画像:JR東日本 プレスリリースより