近畿日本鉄道は1日、2013(平成25)年に行われる伊勢神宮式年遷宮にあわせて、次世代「新型観光特急」を新造し、同年春から運行を開始することを発表した。
▼2013(平成25)年春から運行を開始する「新型観光特急」の外観イメージ。
イラスト:近畿日本鉄道ニュースリリースより(以下すべて)
「新型観光特急」は6輌編成で、賢島方が1号車で大阪方が6号車。私鉄では初のオール3列シートで電動レッグレストを装備。シートピッチは1,250mm(125cm)と私鉄最大となる。
先頭車輌は大きなガラスで見晴らしの良いハイデッカー車輌。先頭部分はガラス6枚で鋭い多角形を構成する。中間の3号車は同社伝統の2階建て車輌。3号車の2階はカフェテリアスペースを導入し、1階部分はグループ専用席を用意する。さらに4号車には同社初の和風、洋風の個室を設置する。 各車輌の概要は次のとおり。
■展望車輌(1・6号車)
大きなガラスで見晴らしの良いハイデッカー車輌で、エントランス付近に鍵付きロッカーを設置。定員は各車27人。
▼展望車輌の客室内イメージ。
■2・5号車
車内はガラス製の荷棚とガラス製の仕切扉を用いることで開放感を持たせる。女性の利用客向けにパウダールームを設置し、2号車には車椅子対応設備も設置。定員は2号車が29人、5号車が30人。
■カフェテリア車輌(3号車)
伝統の2階建て車輌で、2階は軽飲食などが楽しめるカフェテリアスペースを導入。1階は8人のグループ専用席で、夏休み期間中などはキッズルームなど多目的に活用する。定員は8人。
▲2階のカフェテリアスペースのイメージ。窓向きのカウンター席となる。
▼1階のグループ専用席イメージ。
■グループ席車輌(4号車)
6人用サロン席3区画、4人用和風個室1室と洋風個室1室からなり、和風個室の座席部分は掘りごたつ風とし、洋風個室はL字型ソファーとテーブルを配置する。個室は日本最大の広さを確保(寝台車を除く)。定員は26人。
▼左よりサロン席、和風個室、洋風個室のイメージ。
そのほか、全車に横揺れ軽減装置を設置するほか、LED照明を多用し、客室天井照明については照明色を変更できるようにする。
この「新型観光特急」は2編成を製造、大阪・名古屋―伊勢志摩間での運行を予定している。また、利用する際には一般特急料金のほか「新型観光車両料金」(仮称)が必要となる予定。