JR東日本は7日、常磐線上野―いわき間に新型特急車輌のE657系特急形交直流電車を導入することを発表した。
▲新型特急車輌E657系の車輌イメージ。
画像提供:JR東日本(下2点とも)
▼E657系の客室内イメージ。左が普通車、右がグリーン車。
E657系は10輌編成(6M4T)となり、定員は600名(グリーン車30名、普通車570名)。営業最高速度は651系やE653系と同じく130km/hで、E653系と同様にアルミニウム合金製車体・VVVFインバータ制御方式となる。新造輌数は10輌編成×16本の160輌。
快適な車内環境を提供するために走行中の振動を低減するフルアクティブサスペンションを先頭車とグリーン車に搭載するとともに、車体間ダンパを全車に装備することで乗心地を向上するほか、静粛性を向上した床構造となる。また、空気清浄機を設置するとともに空調を個別吹き出しとすることで、各座席で風向きと風量の調整ができるようになる。なお、シートピッチはグリーン車1160mm、普通車960mm。
ビジネスユース等の対応としては、WiMAXを用いたブロードバンド環境を構築し、車内でも快適にインターネットを利用することができるほか、各座席にパソコンが置けるテーブルとコンセントを設置する(投入開始時のブロードバンド環境は上野―水戸間を予定)。
車内案内表示器にはフルカラーLEDを採用、行先・停車駅案内等のほか、運行情報やニュースなどを配信する。
このほか、改良型ハンドル形電動車いすが利用できる大型トイレ・多目的室・車いす固定可能な座席を設置するほか、各客室とトイレ内に非常通報装置、各客室の出入口に防犯カメラ、編成中にAED(自動体外式除細動器)を1台設置する。
E657系は2012(平成24)年春に一部が上野―いわき間で営業運転を開始する。同区間は651系も使用されるが、同年秋には上野―いわき間の定期特急列車はすべてE657系に置き替えとなる予定。また、いわき―仙台間は同年春よりE653系による新たな列車愛称で運転する。