近畿日本鉄道では、2003(平成15)年の21020系“アーバンライナーnext”導入以来6年ぶりに、新型特急車輌22600系“ACE(エース)”を2009(平成21)年4月1日より導入する。
▼22600系“ACE”の外観イメージ。伝統的な近鉄特急のイメージカラーを踏襲しつつ、丸みを帯びた凹凸のない形状で、滑らかさとスピード感を強調。
イラスト提供:近畿日本鉄道(下画像とも)
今回導入される22600系は4輌編成と2輌編成が設定され、4輌編成は名古屋方より1号車(Tc)-2号車(M)-3号車(T)-4号車(Mc)、2輌編成は同じく名古屋方より1号車(Tc)-2号車(Mc)となり、どちらも1号車のみが喫煙車。但し座席は禁煙で、乗務員室背面のデッキ部に喫煙室が設置される。
座席のシートピッチは1,050mmで、位置を固定できるフットレストを導入。背もたれ高さは735mmでプライベート感を高めている。リクライニングは21020系“アーバンライナーnext”で採用の「ゆりかご式リクライニング」をさらに改良し、快適なリクライニングを提供する。
テーブルは同社特急では初めて背面テーブルを導入したほか、座席肘掛部にもテーブルを設置している。また座席背面及び客室前後の壁には二人席に一つの割合でコンセントが用意される。
内装は赤色系のカラーリングでまとめられ、落着き感と高級感を演出。車内案内表示器は大型LED表示器を採用して視認性を向上している。
トイレは4輌編成の1号車(Tc)と3号車(T)、2輌編成の1号車(Tc)に設置され、4輌編成の3号車(T)には車椅子対応設備が、2輌・4輌編成の1号車(Tc)には女性専用トイレが設けられる。また同社特急で初めて温水洗浄便座が採用された。
▲落ち着きと高級感を意識したデザインとなるインテリア・イメージ。
▼分煙強化により、名古屋方先頭車の乗務員室背面のデッキ部に喫煙室が設けられる。
運用路線は特定区間ではなく広く各路線に運用され、近鉄特急サービスのスタンダードとなる。また愛称も現在の汎用特急車輌22000系の“ACE”を踏襲した。
はじめに10輌(4輌編成×2本 2輌編成×1本)が先行導入され、2009(平成21)年度中にさらに22輌が導入される。その後も増備が予定され、逐次旧型特急車輌との入れ替えが進められていく。
資料提供:近畿日本鉄道株式会社