貨物鉄道博物館が今年で開館5周年を迎えることから、これを記念してボランティアの手で修復を進めてきたワ1形5490号の修復完成公開を2008(平成20)年11月2日(定例開館日)に実施する。
▼修復中のワ1形5490号。
ワ1形5490号は1906(明治39)年に新潟鐵工所で製造され、当時の北越鉄道(現在のJR信越本線の一部)で8トン積みの有蓋車として活躍、後の国有化で全国各地の国鉄線でも使用された。戦後は近江鉄道に移籍しワ92として活躍した後、2003(平成15)年に貨物鉄道博物館に収蔵された。
この貨車は大正時代に荷重を10トン積に増やす改造を受けており、台枠から上は鋼製の柱に木製の板張りで、引戸も木製の、いわゆる木造貨車である。
復元に際しては、増トン改造後の姿をできるだけ忠実に再現することを念頭に木工作業を中心とした修復を進め、現存する木造貨車としては最古級の車輌の復活という産業遺産保存の面からも貴重な事例といえる。
11月2日の定例開館日では11:00から修復完成公開を祝うお披露目式を行なうほか、ワ5490号を使用した情景展示(ボランティアによる昔の貨物の積込風景の再現)や、昔の貨物輸送に関する講演会等を計画している。
また貨車に関する図面や史料などの特別公開も予定している。
なお詳細については随時、貨物鉄道博物館公式サイト(http://frm.kans.jp/)にて告知される。
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