185系

資料館

FS14 / 小田急電鉄デニ1300形

2006.12.24
 
214:FS14
 1953(昭和28)年に登場した小田急電鉄2100形電車用として製造された台車(MTとも同一形式)。高性能車登場目前に軽量化の試作的要素を含んで登場した2100形は、駆動方式こそ吊掛式であったものの、台車は1700形や1900形後期の重厚なゲルリッツ式から一転、軽量構造の軸ばね式となった。台車枠は一体鋳鋼製。ブレーキシリンダーも台車取り付けとなったが、シリンダー自体は台車枠横梁内に取り付けられているとのことで、外観上は見られない。また、枕ばねのオイルダンパもコイルばねの内部に仕込まれている。なお、続いて登場した2200形のFS203ではブレーキシリンダー、オイルダンパとも外付けになっている。
 2100形は4000形に電気機器を供出する形で1975(昭和50)に廃車となり、FS14は“配送”として活躍していた荷物電車デニ1000形、1300形に転用され、1984(昭和59)年まで活躍した。また、2100形の車体は3輌分が西武所沢工場を経て三岐鉄道に譲渡され、Tc車となった2輌のみそのままFS14を履いていたが、1990~1991年に廃車となった。
 写真は廃車後、海老名検車区構内に保管されていたデニ1303のもの。
軸距:2300mm 車輪径:910mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね

写真:1986.4.16 海老名検車区 RM
デニ1303
2006.12.25作成
参考文献
「住友金属の台車7」鈴木光雄(『鉄道ピクトリアル№450』所収/1985年 電気車研究会)
RM LIBRARY62 三岐鉄道の車輌たち
南野哲志・加納俊彦(2004年 ネコ・パブリッシング)
これまでに収録した小田急電鉄の台車へのリンク
これまでに収録した三岐鉄道関連の台車
KBD-107 FS14 FS342 NT-7K KD219 KD219A
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