← → 1952(昭和27)年から登場した東京急行電鉄クハ3850形のうち、3855~3866号が履いた台車。東急車輛製造の前身である東急横浜製作所を意味する「YS」を形式に冠するもので、その名が示すとおり東急横浜製作所による独自設計の付随台車第1号である。台車枠は軽量化を考慮した一体鋳鋼製、軸箱支持はそれまでの釣合梁に代わって防振ゴムを介してコイルばねを2列に並べた軸ばね式となった。 翌53年12月には同系の動台車第1号となるYS-M1を履くデハ3800形も登場するが、その登場前の1953(昭和28)年2月に社名が東急車輛製造に変更されたのを受け、「YS」を形式に冠した台車はこの2種に終わり、以後は現在まで続く「TS」台車となった。 写真は十和田観光電鉄クハ3810(もと東急クハ3855)のもの。軸距:2300mm 車輪径:860mm軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね写真:2002.7.21 十和田市 高橋一嘉モハ3603と連結して三沢付近を行くクハ3802(もと東急クハ3861)。東急クハ3850形は1989年3月に営業線から引退、十和田観光電鉄に譲渡され活躍を続けていた2輌も2002年に引退し、全車姿を消している。 2006.7.2作成参考文献:『東急電車形式集.3』(1997年 レイルロード)『RM LIBRARY6 東急碑文谷工場ものがたり』関田克孝・宮田道一(2000年 ネコ・パブリッシング)『復刻版 私鉄の車両4 東京急行電鉄』飯島 巖・宮田道一・井上広和(2002年 ネコ・パブリッシング)これまでに収録した東京急行電鉄関連の台車これまでに収録した十和田観光電鉄関連の台車 YS-M1 YS-T1