
戦後製造された国鉄モハ63形電車(後の73系)に採用された台車で、旧称はTR35。それまでのTR25(後のDT12)をコロ軸受けに改良したものである。戦前期、すでに1936(昭和11)年に就役した関西急電用のモハ52にはコロ軸受けを持つTR25A(後のDT12A)が採用されており、TR35も当初はTR25Aと呼称されたようだ。
70系モハ71の一部にも採用されたほか、73系改造の郵便・荷物電車や事業用車にも受け継がれた。また、戦後混乱期の63形の割り当てなどにより私鉄でもかなりの数が使用された。
写真は相模鉄道ED10形電気機関車が履くもので、もともとは小田急経由で入線した63形私鉄割り当て車であった3000形が履いていたものである。
軸距:2500mm 車輪径:910mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:板ばね
写真:2006.3.5 相模大塚 高橋一嘉

参考文献:
「モハ63形電動客車の特性と功罪」中川浩一(『鉄道ピクトリアル№684』所収 2000年 電気車研究会)
『復刻版 私鉄の車両20 相模鉄道』
飯島 巖 小山育男 井上広和(2002年 ネコ・パブリッシング)
2006.4.9作成
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