1963年4月から1965年9月にかけて製造された11400系は全て先頭車であり前面に大型電照式特急表示器が取り付けられていた。(1969年5月増備のク11520は除く)増結・開放作業を頻繁に行う近鉄特急においては作業に手間が掛かっていた。1977年より一部の車輌に作業の省力化を狙い貫通扉に直付けの小型電照式特急表示器に改造された。前面の塗り分けはそのままであったため紺色の部分が目立ち間の抜けた表情となりファンをがっかりさせた。この改造が全車輌に施工される前の1980年4月から車体更新が始まり幕式行先表示器に改造された。そのため非常に少数の車輌が短期間この表情であった。評判の良くない車輌を撮った写真だが今となっては貴重な一枚となった。車体更新後も11400系は活躍したが1997年3月に全廃された。尚、南大阪線特急車16000系に対しても同様の改造が行われた。前面の塗り分けが異なる(正面下部まで紺色が回り込まない)ため違和感もなく、現存する車輌でその姿を確認出来る。 ’77.8 近鉄山田線 松阪 P:楢井勝行