text & photo:RM
取材日:’26.6.16 場所:近畿車輛
取材協力:西日本旅客鉄道
JR西日本では、現在国鉄型の機関車が担っているバラスト散布列車の牽引や回送列車の牽引(配給輸送)を新しく担う新型事業用車として、ハイブリッド方式のDEC743形を登場させました。

▲古の箱型DL・DF50形を思わせる塗装。
JR西日本での形式名「DEC」は電気式、またそれをベースとしたハイブリッド方式気動車に名付けられるもので、今回のDEC743形も、一見箱型機関車に見えなくもないですが実際には気動車の分類になります。電気式気動車(ハイブリッド方式も含む)の走行システムはその多くが電車と共通となるため、車両メンテナンスの効率化が図れることが、大きなメリットです。また、ハイブリッド方式による燃費向上も期待できます。
車体は箱型で通常のボギー車(2軸台車×2)となります。特徴的なのは、上半分朱色、下半分グレー、その境界に白いラインが入っていることで、これは往年の国鉄の電気式DL、DF50を思わせるもの。特にプレスリリースでは触れられていませんが、「電気式」のご先祖様へのリスペクトが込められているのかもしれません。
配布された資料によると、バラスト散布列車牽引時は前後に1両ずつDEC743形を連結し、中間にホッパ車を4両連結した6両編成が所定となる模様。このホッパ車、資料に描かれた図では既存のホキ800形に似ていて塗色も黒一色ですが、4両×3編成、計12両が新製投入されるようです。プッシュプル運用が所定となることで、終点での機回しが不要になるなど、ここでも気動車らしい機動性が発揮されることでしょう。
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この車両にはもうひとつ、重要な任務・目的があります。それは、嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車の牽引にも充てられるということ。現在、同鉄道には専用塗色のDE10形が1両在籍し、さらにもう1両似た塗色のDE10形がJR西日本に在籍して検査時などの予備車として活用されています。今回、嵯峨野観光色のDEC743形も3両同時に報道公開されましたが、ヘッドマーク付きの方が嵯峨野観光鉄道所属の1001号車、ヘッドマークなしの方がJR西日本所属の7,8号車となります。トロッコ客車の方も今後登場予定で、現状と同じく編成の一端には運転台付きの制御客車が連結され、動力車こそ1両ですがやはりプッシュプル運用になると発表されています。

▲嵯峨野観光鉄道のDEC743-1001。車体側面にもロゴマークや装飾が描かれています。

▲嵯峨野観光鉄道の予備車を兼ねる、JR西日本所属のDEC743-8。こちらはロゴマークなどは描かれていません。
気になる置き換え対象の車両ですが、まずはDE10の役割の多くがDEC743形に置き換わることになりそうです。もっとも、十分な試運転期間が設けられるでしょうから、車両数が揃ってもすぐには…という観測もできましょう。一方、DEC743形の最高速度が比較的遅い75km/hとされていること、重量が約55トンと比較的軽量なことから、ロングレール輸送や幹線での車両配給輸送に当たるDD51、EF65については本形式での置き換えは考慮されていないように思われます。今後の動きに注目していきたいと思います。
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