text:鉄道ホビダス編集部
房総半島を中心に活躍していた幕張車両センター所属の113系。さらに同エリアはJR東日本で最後の113系が活躍する場として、引退前は非常に注目を集めていました。この房総エリアでは長らく横須賀・総武線用と同じ横須賀色の113系がメインで活躍していましたが、晩年には東海道線などで馴染み深かった湘南色がリバイバルされ、沿線を彩りました。

湘南色として出場後初運用に就くマリ117編成。
‘09.6.25 東金線 求名〜成東 P:碓井寿季
(鉄道投稿情報局より)
幕張にいたリバイバル湘南色の113系は、4両の「マリ117編成」と6両の「S62編成」がいました。マリ117編成が2009年6月の出場で湘南色に、遅れること3ヶ月後の2009年9月にS62編成が湘南色で出場しました。マリ117編成は東海道線からの転属組で、約3年ぶりに湘南色を纏うことになりました。S62編成は逆に銚子方先頭は0’番代のクハ111-249、そして同車除く5両は張生え抜きの編成で、これらは湘南色には縁のない車両でした。また、リニューアル工事を受けていたことから運行番号表示がLED化されていたり、千葉・東京方先頭はタイフォンが車体裾に設置されATCに対応したクハ111 1000’番代(クハ111-1450)であったりと、マリ117編成とはまた外観が大きく異なる編成が選ばれました。

湘南色になって出場したS62編成の姿。
‘09.9.15 総武本線 下総中山 P:羽鳥達也
(鉄道投稿情報局より)
当時の房総エリアの運用では4両と6両を連結した10両編成の運用もあり、レイルファンたちはこのダブル湘南色の10両編成が走らないかと期待していました。そんな中S62編成が湘南色になってから約10ヶ月後、その念願の運用が実現しました。

2010年夏にやっと実現した湘南色の10両編成。
‘10.7.30 内房線 浜野〜蘇我 P:後藤篤史
(鉄道投稿情報局より)
もちろん11両貫通でグリーン車が入った東海道線時代とは異なる見た目ではありますが、この時代に10両という長編成の湘南色113系が実現したということは特筆されるべきポイントでしょう。
もちろんこの間にも後継となる209系の転用改造は進み、それと同時に113系の引退も進んでいきました。年が明けて2011年ともなると、いよいよ113系の運用も本格的になくなり始め、なかなか狙うのも厳しくなってきました。

記事公開日からちょうど15年前の写真となる湘南色10両の113系。結局これが湘南色リバイバル同士による10両編成の最後の組成となった。
‘11.4.29 外房線 大網 P:萩原 涼
(鉄道投稿情報局より)
そんな中、同年のゴールデンウィーク中に再び湘南色10両編成が運行されることに。引退が差し迫ったタイミングということでこちらもかなりの話題となりました。結局これが最後の湘南色10両編成での運転となり、S62編成は直後の5月に廃車回送され、マリ117編成はその後しばらく残りましたが、9月の完全引退より一足早い7月に廃車回送されました。

マリS62編成+マリ118編成の廃車回送。秋葉原の電気店の名前も今や懐かしい存在に。
‘11.5.10 総武本線 秋葉原〜御茶ノ水 P:濱田昂之
(鉄道投稿情報局より)

日本海側を行く湘南色と横須賀色の113系。これにより湘南色の113系がJR東日本から消滅した。
‘11.7.6 信越本線 鯨波〜青海川 P:長谷川拓也
(鉄道投稿情報局より)
これら2編成は、いずれもカットボディではありますが現在でも保存されています。マリ117編成のクハ111-2152は千葉県のポッポの丘へ、S62編成のクハ111-249はシャッター式のタイフォンカバーに換装され、塗装も長野色とされて長野総合車両センター内で保存されています。
現在、JR西日本の吹田総合車両所福知山支所に所属する5300番代が10両ほど残るほどとなった113系。JR東日本での活躍も、遠い昔の記憶となりつつあります。

