text & photo:RM
取材日:’26.4.3 場所:古市検車区
取材協力:近畿日本鉄道
近鉄では、2024年に営業を開始した8A系から、今までのコンセプトを一新した新しい通勤電車系列を各線に投入しています。そしてこの度、狭軌路線の南大阪線系統に投入される6A系がお披露目となりました。

▲一見すると色も共通の8A系そっくりな6A系。
近鉄狭軌路線に新風を吹き込む6A系の写真はこちらにも多数…!
その前に、近鉄の狭軌路線とは…? JRグループを除く民鉄で最大の路線規模を誇る近鉄は、歴史上いくつもの発祥が異なる路線が含まれており、南大阪線系統はざっくり言うと「2代目の大阪鉄道」が起源となる路線群。近鉄のその他の路線が標準軌(1,435mm)採用のところ、大阪鉄道では国鉄との貨物連絡を目論んで1,067mm軌間が採用されました。現在の路線名で言うと、南大阪線、吉野線、道明寺線、長野線、御所線の5路線が該当します。大阪方のターミナルは大阪阿部野橋、標準軌路線とは橿原神宮前駅で接続していますが、当然ながら相互乗り入れなどはなく、専用の電車が投入されています。
軌間が異なるとはいえ、車両限界には大差がなく、車両(一部の専用特急車を除く)は標準軌用と車体はほぼ共通。大きく違うのは台車の軌間のみというのが実情です。近鉄の各世代の電車が小両数ずつ在籍して活躍してきました。そして今回の6A系は、同線では「シリーズ21」6820系(4両のみの少数派)以来、24年ぶりの通勤車投入となります。
■軌間以外に何が違う…?
6A系は先にデビューした8A系(奈良線・京都線系統)、1A系(大阪線・名古屋線系統)と同じく、2M2Tの4両編成を組みます。そして塗色は8A系と同じ「伝統の赤」を採用。そして特筆すべきはやはり8A、1A系と同じくL/Cカー(座席がロング・クロスの変換可能な車両)となっていることで、これは南大阪線系統では初登場になります。またもう1点、編成中の中間T車にトイレを設置してあり、これも南大阪線の通勤電車としては初の試みです。このトイレ、8A系登場時には設置されていませんでしたが、1A系では最初から装備、8A系でも今後の増備車には設置されることになっており、全体的に乗客へのサービスアップの姿勢が強いと感じさせられます。

▲クロスシートモードとした車内の様子。
6A系独自の点として、VVVFインバータ制御装置が日立製作所製になっているということが挙げられます。8A、1A系では三菱電機製でしたが、南大阪線系統の電車は伝統的に日立製の制御装置が採用されており、それに倣った格好です。しかし一方で、編成中でのM車・T車の配列が従来の慣例とは逆となり、橿原神宮前駅で出会う標準軌の電車に揃えられたという点は、重要部検査などが行われる五位堂検車区での作業効率を考慮したものと思われます。
6A系は2026年5月から4両編成3本が運行を開始する予定で、当該の3本は既に古市検車区に搬入済。2027年度は4両編成2本を増備する計画としています。

▲南大阪線系統の通勤電車としては初めてトイレが設置されました。

