185系

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【ダイヤ改正】ついに消えた高尾~立川間の211系 中央東線「普通列車」国鉄末期から現在までを辿る!

2026.03.20NEW

text & photo(特記以外):大森岳人

 2026年3月14日のダイヤ改正において、中央東線211系普通列車の立川~高尾間の営業運転が終了となった。本項では中央東線の「普通列車」について、国鉄時代末期から現在にかけての動向をまとめる。

【写真】晩年の姿から貴重な往年姿まで!中央東線普通列車の活躍シーンを写真でもっと見る

12両化対応した中央線豊田駅ホームを出発する526M小淵沢発立川行。トンネル区間を抜け、乗務員室のカーテンが開けられた高尾~立川間で唯一クモハ211の前面展望ができる列車だった

‘26.3.7 中央本線 豊田~日野

■1986年11月国鉄時代末期、115系三鷹から豊田へ転属

 三鷹電車区所属の115系横須賀色「普通列車」による営業運転区間は新宿~立川~高尾以西で、途中停車駅は、立川、八王子のみだった。
 1986年11月に、115系が三鷹電車区から豊田電車区(当時)へ転属し、西八王子、三鷹が停車駅に加わった。それでも101、103、201系によるロングシートの中央線快速電車より停車駅の少ない「普通列車」だった。なおこの時期に、115系300番代8両編成(McM’Tc’+TT+McM’Tc’)にクモニ83、クモユニ82を連結した10両編成の運行は終了し、8両編成を2編成に分割、小山電車区からMM’を転入のうえ4両編成に挿入、新たに6両固定編成(McM’TMM’Tc’)が組成された。過渡期は4両の横須賀色に2両だけ湘南色の編成も存在した。

1993年12月1日のダイヤ改正で消滅した421M(1521M)新宿発上諏訪行夜行普通列車は、翌朝424Mとして上諏訪発立川行で戻って来た。多客期は3両増結の9両編成で運行されていた。この後、側面電動方向幕が取り付けられ、前面の行先表示は「普通」のみの表示となった。300番代に準備工事部分に取り付けられたが、0番代は穴あけ施工となった。

‘91.12.29 中央本線 相模湖~高尾

1986年11月から休日に運行されていた、新宿発甲府・河口湖行の「ホリデー快速ピクニック号」。前面種別幕には「快速」「臨時」「新宿」など様々なパターンが見られた。「ホリデー快速河口湖」、「ホリデー快速富士山」・「快速山梨富士」を経て、現在の特急「富士回遊」号に至る。

‘92.5.3 中央本線 相模湖~高尾

■1993年12月新宿乗入れ、夜行普通列車廃止

 1993年12月1日のダイヤ改正で、定期列車による新宿乗り入れは終了し、同時に夜行普通列車新宿発上諏訪行き(1521M~421M)も廃止となった。「普通列車」の豊田、日野への停車が始まり、立川以西のみの運行で事実上、各駅停車となった。
 なお、多客期は臨時夜行快速列車8421Mが新宿〜松本間で下りのみ暫く運行された。また新宿~甲府・河口湖間の元祖「ホリデー快速」こと「ホリデー快速ピクニック号」が1986年11月から2002年12月頃まで115系、165・169系で運行されている。

 余談だが、1993年4月10日、ダイヤ改正で 中央線快速電車に、「通勤特快」(上りのみ)新設。初めて201系による西八王子、豊田、日野通過の定期営業列車出現し、1993年12月のダイヤ改正で115系の「普通列車」と立場逆転となった。(当時平日ベースの土曜ダイヤがあり、通勤特快も土曜日に運行していた)なお115系上り普通列車は一時、豊田電車区への入区を兼ねた「八王子」行きも運行されていて、側面電動方向幕に「八王子」幕が表示されたこともあった。

1993年4月10日から運行が始まった201系による「通勤特快」東京行き。ヘッドマークも差込み式から電照式に変更された。115系普通列車が停車するようになった西八王子、豊田、日野を高速通過する逆転現象が生じた。

‘94.9.10 中央本線 相模湖~高尾

■115系横須賀色の命運(豊田から松本への転属)

 2000年12月2日改正において、豊田電車区の115系3両編成0番代3連12本(M31~M42)と300番代6連固定編成8本(M1~M8)が全てが、松本運転所へ転属し、B編成として稼働開始した。立川-松本-長野間を運用区間とし、一時的に115系横須賀色の長野乗入れが復活した。
 これも束の間、2001~2004年頃 B編成6両固定編成が、小山電車区から松本運転所へ転属した115系1000番代(一部300番代)6両固定編成(TcMM’MM’Tc’)に置換え、C編成14本として稼働開始した。
B編成の115系0番代、300番代は廃車(一部伊豆急行へ譲渡)となり、豊田電車区に残った300番代3両編成11本と命運が分かれた。

 なお、B5編成6両編成1本は豊田電車区へ帰還し、M40編成として快速「むさしの」号、「ホリデー快速鎌倉号」ほか、イベント列車に多用された。

大月発新宿行1450Mで折返し、新宿発甲府行527Mとなる列車。新宿定期乗入れ最後の頃は、113・115系初期車や165・167・169系の前面強化と前照灯シールドビーム化を行い、全編成が工事完了となるまでは、一時鉄仮面の前面にラインカラーが入る姿が見られた。

‘93.11.3 中央本線 新宿

■115系から211系へ置き換え

 2014年12月5・6日にかけて、豊田車両センター115系300番代3両11本が、長野車両センターに転属した211系1000番代3両11本(セミクロスシートN317~N327編成)に一斉置換えされた。当初211系1000番代は豊田車両センター115系の運用(立川〜河口湖・小淵沢間限定)だったが、後に同所3000番代(ロングシートN301~N316、N331~N339)も立川・高尾まで乗入れ始めている。
 また、2014・15年にかけて、松本車両センター115系6両固定C編成も、東海道本線東京口で活躍した211系0番代、2000番代14本(0番代セミクロスシート6本N601~N606編成、2000番代ロングシートN607~N614編成)に置き換えられ長野総合車両センター配置とされた。なおC1編成6両編成1本が、長野色から横須賀色に塗り替えられリバイバル運行された。

 長野地区211系については、6両固定編成は東海道本線10両基本編成14本からサハ、サロを抜いたもの、3両編成は高崎線、東北本線、総武本線等房総各線で活躍した5両編成からサハを抜いたものが転用されている。東海道本線の2000番代5両付属編成は転用されず、抜かれたサハ、サロとともに廃車となっている。

豊田車両センター115系300番代横須賀色運行最後の頃の526M小淵沢発立川行。2014年12月5~6日に、211系1000番代に一斉に入れ替えられ、2015年1月17日の富士急行線河口湖までの団体臨時列車運行を以って、115系300番代横須賀色の運行は終焉となった。

‘14.11.22 中央本線 八王子~豊田

■大月までの中央線快速電車E233系運行増加

 1986年の201系高尾以西入線から着々と増加しているが、2025年3月ダイヤ改正で中央線快速電車のグリーン車が営業開始され、この準備で高尾以西大月までのE233系の列車も2024年3月ダイヤ改正で増えた反面、大月以東の211系普通列車が減少する形となった(この時  高尾発長野行441Mは大月発長野行きに改められている)。

■2026年3月ダイヤ改正、高尾以東の「普通列車」消滅

 今回、中央線快速のホームドア整備に向け立川駅、豊田駅、八王子駅を始発・終着としている普通列車を高尾駅始発・終着に統一するために、3ドア車の211系は高尾以西のみの営業運用となる。

 E353系特急列車の停まらない相模湖~猿橋間の各駅付近から八王子、立川方面への通勤・通学・買い物客や、東京都内から上野原地区等山梨県東部の企業、高校、大学等への通勤・通学客においては、E233系の大月乗り入れも増えてはいるものの、立川、豊田、八王子始発着列車は、重宝されていた。

 今後211系の後継となる列車は4ドア車(E131系)の導入予定されている。ホームドアの整備とともに、高尾以東の「普通列車」運用が今後復活することはあるのか、新旧置き換え劇とともに注目したい。

多摩川を渡る211系1453M立川発大月行普通列車。富士山が美しく見える立川・日野界隈を走る211系中央本線「普通列車」の姿は見納めとなった。

‘24.3.10 中央本線 日野~立川 

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