取材日:‘26.1.1
text & photo:福島鷺栖
■年を越しても走り続ける!終夜運転の駅構内
レイル・ファンにとって年末年始といえば、終夜運転などで普段とは違った様子になる地元路線を記録することも楽しみの一つでしょう。しかしながら、コロナ禍以降鉄道各社の終夜運転は縮小傾向にあります。関西を例に挙げると2025年大晦日~元旦にかけて終夜運転を行ったのは近鉄、京阪とJRの一部線区のみでした。そんなごく少数となった関西圏の終夜運転の中でも今回は、伊勢など参詣輸送に特化している近鉄の終夜運転に乗ってきました。有料特急を終夜運転で走行させるその本気ぶりをご紹介していきたいと思います。
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大阪難波に入線する「ひのとり」普段は名阪間の輸送に徹しているが、今日は参詣輸送を支える。
近鉄奈良線 大阪難波
■終夜運転のターミナルは一味違う?深夜のターミナル散歩
終夜運転の魅力といえば、普段運行されていない時間帯に列車が来るのも魅力ですが、終夜運転向けに様々掲示物がされた駅構内も雰囲気を盛り上げてくれます。ちなみに今回の終夜運転で大阪線の普通列車はおよそ30分間隔、奈良線の普通列車は20分間隔、伊勢行き特急はなんと優等列車であるにも関わらず30分間隔で運転されました。沿線への参詣輸送への注力が他社と比較すると段違いであることに驚きます。
また、大阪難波駅、大阪上本町駅ともに始発列車が休憩車両として開放されていました。大阪難波駅では5820系6両が、大阪上本町には22000系の2+2の4両編成が休憩車両に充当されていました。

普段は阪神なんば線への直通列車が発着する3番線には阪神は終夜運転を行っていないため、始発列車が休憩車両として開放されていた。
近鉄奈良線 大阪難波

地上の櫛形ホームが特徴的な上本町駅の地上ホーム。
近鉄大阪線 大阪上本町
■いよいよ深夜特急「ひのとり」に乗車!
夜も更けた深夜2時、大阪難波に「ひのとり」が入線してきました。入線の様子だけ見れば普段の「ひのとり」となんら変わりはありませんが、その行先に注目してみると、「五十鈴川行き」となっています。名阪特急として普段は運用されている「ひのとり」ですが、この日だけは伊勢輸送に助っ人として参加。通常の運用では入ることのない五十鈴川まで年明けて間もない大阪線を一路伊勢へと走り抜けます。

普段は見ることが出来ない「特急『ひのとり』五十鈴川」の表示と「ひのとり」。
近鉄奈良線 大阪難波
■五十鈴川では「ひのとり」の並びも!
大阪難波を2:00ちょうどに出発し、約2時間弱で終点の五十鈴川に到着します。こちらは、伊勢神宮の下宮の最寄り駅となっており、三重交通のバスもこの時間ながら運行されていました。ちなみにこの日は名古屋~伊勢の終夜運転も実施されており、五十鈴川では難波方面と名古屋方面のそれぞれから来た「ひのとり」が並ぶという普段見られない光景を見ることができました。

名古屋方面へほどなく引き返していく「ひのとり」。
近鉄鳥羽線 五十鈴川
■伊勢観光もぜひ!
五十鈴川は伊勢神宮の内宮の最寄り駅ですが、伊勢駅で降りれば外宮、伊勢駅から参宮線で二見ヶ浦の夫婦岩へも行くことができます。早朝の参拝のため、昼間に比べると参拝しやすい印象でした。終夜運転ももちろん魅力ではありますが、その際にはぜひ伊勢観光も併せて楽しめます。来年はぜひ、終夜運転で伊勢へ行ってみてはいかがでしょうか。

二見ヶ浦で初の日の出を拝めるのもこの時間から行動しているからこそ。





