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特集・コラム

【近鉄】24年ぶりの新型一般車両「8A系」、10月7日営業運転開始!

2024.09.21

text & photo:RM
取材日:’24.8.10 場所:西大寺車庫
取材協力:近畿日本鉄道

 近鉄では、奈良線、京都線、橿原線および天理線に今秋から投入する新型一般車両「8A系」を報道公開しました。

▲従来からの近鉄マルーンをベースにしたシックな外観。

 「8A系」というまったく新しい番号体系ですが、「8」は投入予定の奈良線・京都線用車両であることを示し、「A」はグループを示しています。グループは編成両数やシート配置、外観や用途が変更された場合に変更されるとしています。

▲吊目のヘッドライトが印象的な先頭部。

外観デザイン
 ツートンカラーの近鉄らしさを踏まえ、「ご利用の皆さまに身近に、親しみを持っていただける新しいデザイン」とのこと。従来の一般車ツートンカラーとは色の配置を反転させて窓廻りがマルーン、そしてホワイトは太帯で腰板部に入っています。先頭部はマルーン一色となっており、下部のヘッドライトが吊目状に配置されて非常に精悍なイメージです。

 21m級車体の4扉配置というのは従来と同様で、奈良方からク8A1形+モ8A2形+サ8A3形+モ8A4形という4両編成となっています。

▲先頭部に取り付けられた転落防止ホロ。

車内
 利用状況に応じてロングシートとクロスシートを切り替えることができるL/Cカーで、1両の中でロングシートとクロスシートが混在する状態も可能となっています。

 目玉的な設備が、ベビーカーやキャリーバッグ・スーツケースなどの大型荷物を持っている方が、周囲に気兼ねなく着席できる「やさしば」というスペース。線路方向・枕木方向、どちら向きでも腰掛けることができ、また床面にキャスターを引っ掛けるストッパーも設置されています。

▲クロスシート状態の室内。大型の袖仕切りによって、扉付近の立ち席の方と視線が交わりにくいようになっています。

▲ロングシート状態の室内。左手中ほどの緑色のシートが「やさしば」で、そこは可動しません。

▲「やさしば」のスペースは1両あたり2ヶ所に設置。大型荷物を置く場所の目安が床面に色違いで指定されています。

▲車いすスペースは各車両に1ヶ所設置。ほぼ全面ガラスの貫通扉により編成の見通しが良く、明るい印象。

▲扉上に設置されたLCD式車内案内表示装置。

走行装置など
 VVVFインバータ制御式で、ハイブリッドSiC素子のMAP-244-15V368によって1C4M制御を行います。主電動機は全閉式かご形三相誘導電動機です。補助電源装置はTc車に搭載で、SIVのSVH190D3A-4111Aによる待機2重系とされています。コンプレッサーもTc車搭載で、交流型オイルフリースクロール式です。

 台車はボルスタレス台車でM台車がKD-327形、T台車がKD-327A形となっています。

▲1C4M制御のVVVFインバータ制御装置。

▲SIVの補助電源装置。

▲M台車となるKD-327形。

▲T台車となるKD-327A形。

▲2ハンドル型の運転台。

 8A系の営業運転開始は2024年10月7日と発表されました。今年度は4両編成12本(48両)が投入される計画で、昭和40年代に投入された車両を順次置き換える予定。2025年度には大阪線、名古屋線、南大阪線にも投入が開始されますが、前述の命名体系によればそれぞれ別系列として登場すると思われます。

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