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【船内に車両も】「キュンパス」で行く!青森に残る青函連絡の名残とは

2024.02.20

text & photo:鉄道ホビダス編集部

▲「青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸」の船内にはキハ82やスユニ50などが展示されている。

【写真】青森駅前で体験できる青函連絡の名残 写真はこちら!

 青森駅は、本州と北海道を繋ぐ場所として、昔から多くの人に利用されてきた歴史がある。特に青函トンネル開業以前となる1988年までは青函連絡船への乗り継ぎとして、北海道新幹線が開業する2016年までは在来線による北海道方面の連絡駅として重要な拠点となっていた。今でこそごく一部の在来線を除いて青函トンネルを通過する列車は無くなってしまったが、当時の面影は至る所に残っている。

■在来線優等列車が行き交っていた頃を想う…

 青森駅のレピーターを見ると、「三厩方」「福島方」「東京方」の行先が書かれており、青森駅から多数の列車が発車していたことが見てとれる。また、青森駅のホームの端には、青函連絡船へ乗り換えるための橋が残されている。現在は塞がれており上がることはできないが、近くまで行くことは可能だ。ここからも青函連絡船現役当時は、駅から直接船乗り場に行くことができる構造であったのが窺い知れる。

 また、青森駅のホームは非常に長い。現在ほとんどの列車は2〜4両ほどの列車しか往来していないが、ここにかつては超大編成がずらりと並んでいたことがわかる。夜行列車を歌う冒頭の詩で有名な石川さゆりの歌謡曲「津軽海峡・冬景色」は、かつての青森駅の様子を端的に表していると言える。青森駅前には「津軽海峡 冬景色歌謡碑」があり、その風情を今に伝えている。

■今も見られる!青函連絡船

 この歌謡碑の後ろに見えるのが、「青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸」である。青函連絡船として使用されていた八甲田丸が、当時の文化を伝える展示施設として保存されている。青函連絡船は、青森と函館間の鉄道輸送を連絡する役目を担い、旅客だけではなく、貨車や郵便・荷物車を直接積んで運んでいた(車両航送)のも特徴の一つだ。もちろんこの鉄道車両を船内に載せるための設備も見学することができる。

 施設はB1F~4Fに分かれており、船内をくまなく見て回ることができる。充実した鉄道連絡船に関する資料の展示に加え、車両展示室にはキハ82やスユニ50、さらに青函連絡船での車両航送の際活躍した控車たちなど、現在では貴重になった様々な鉄道車両を間近で見ることができる。


 今回、「キュンパス」とよばれる「旅せよ平日! JR東日本たびキュン 早割パス」を利用して青森駅に行き、周辺を歩いて回った。この「キュンパス」とは、2月14日~3月14日のうち平日の期間、JR東日本管内が1日1万円で乗り放題となるきっぷだ。このきっぷは、新幹線・特急列車の自由席が1日乗り放題のほか、2回まで指定席も利用できるのが特徴だ。なおきっぷの発売は、旅行開始の2週間前までのため注意されたい。

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