text & photo:RM
取材日:’24.1.31 場所:東花園車庫
取材協力:近畿日本鉄道
近鉄では、2023年夏より車内防犯カメラや非常通話装置の増設、先頭転落防止ほろの設置に加え、車内案内表示器を装備するなど大幅に改装した一般車のリニューアル車両の運用を開始しています。このうち奈良線の1233系車両が報道公開されたので、リニューアル点に注目してご覧に入れましょう。このリニューアルは、2024年秋に登場予定の新型一般車両と共通するコンセプトとされています。
▲外観上では先頭部灯火類の位置入れ替えやフルカラーLED式の行き先表示、先頭転落防止ほろなどが目につきます。
■車体外観
シリーズ21以前の近鉄一般車は、窓上にヘッドライト、腰下に尾灯・標識灯を設置していますが、今回のリニューアルにて窓上に尾灯・標識灯、腰下にヘッドライトという具合に位置が入れ替わり、LED化に伴い形状もだいぶ変わりました。また行先表示器は前面・側面ともフルカラーLED化されています。さらに、先頭部同士の連結時に効果的な転落防止ホロが近鉄では初めて装備されました。同社では中間連結面同士の転落防止には独特な棒状の柵を採用していますが、この先頭部のものはJR西日本などで採用例のある板状のものとなっています。
■室内
車内では座席の袖仕切りの形状が大きく変わり、透明板にドット模様があしらわれたデザイン性の高いものとなりました。また吊り手の数が大幅に増え、高さにバリエーションも付けた上で設置されるようになっています。そして窓ガラスはUVカットのちょっと緑色がかったものに、室内照明はLEDからの間接照明にそれぞれ変更されています。
リニューアルの目玉として車内案内表示器の大型ディスプレイが扉上に千鳥状に配置されています。路線図や広告など各種情報が多言語で表示されるものとなるようです。なお、現時点ではこの案内表示器の設置はリニューアルの全車には及んでいないようで、準備工事状態で出場している車両が存在します。
▲シートモケットの色・柄や袖仕切り形状が大きく変わり、新型車両並となった車内。
なお、車内の防犯カメラについては今後非リニューアル車も含む全車両への取付が計画されており、2028年度末までに設置完了予定。2024年度からは、車内防犯カメラの映像および音声を運転指令など 遠隔で 確認できるシステムの運用も開始される予定です。