text & photo:RM
取材日:’24.2.1 取材協力:西日本旅客鉄道
本年3月16日(土)の北陸新幹線・金沢~敦賀間開業に向けて、試運転等様々な準備が進められていますが、この開業に先立ち報道向けの試乗会に参加することができましたので、その模様をお伝えしましょう。
▲金沢駅で発車を待つW7系W19編成。
今回筆者は金沢発敦賀行きの下り列車に試乗。金沢12時22分発、敦賀13時17分着で、途中芦原温泉、福井、越前たけふに各3分停車したにも関わらず所要時間はわずか55分! やはり新幹線は速いというのが総合的な印象でした。
W7系の乗り心地については今更言うまでもないことですが揺れはほとんどなく、とても快適です。
トンネルが多いのは加賀温泉〜芦原温泉間と越前たけふ〜敦賀間。そのほかは平地でトンネルはわずかでした。新しい新幹線のなかでは明かり区間が多くて車窓を楽しむことが可能だと言えるでしょう。ただし、平地で民家が近いためか高い防音壁によって景色が遮られる場所も多いと感じました。防音壁の高さも新幹線で随一かもしれません。
▲車内のLED表示には「団体」の種別が表示。
この区間では海はあまり見えません。強いて言えば敦賀駅到着直前に港が見える程度でしょうか。白山総合車両所も、低いながらも防音壁があって全貌は見えづらかったです。また、福井駅の手前にある道路併用橋の九頭竜川橋梁も注目したのですが、防音壁があるため道路は街灯が見える程度となっていました。
途中駅で注目したいのは新幹線の中間駅では恐らく初めてであろう島式ホーム1面2線の福井駅。それから通過線がある越前たけふ駅は通過列車を撮影したい人の聖地になりそうと感じました(ほかに加賀温泉駅にも通過線あり)。
今回の金沢~敦賀間開業により、かつて特急がスピードを競った在来線の北陸本線は特急街道としての役目を終えます(敦賀以南を除く)。それを思うと少々寂しい気もしますが、新幹線の圧倒的なスピードを実感すればむしろ移動の快適さへの期待が高まります。特に首都圏から福井県エリアが非常にアクセスしやすくなるので、新たな観光需要が生まれることでしょう。