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【懐かしの色】グリーンラインの新幹線「200系カラー」終焉 その移り変わりとは

2024.01.22

▲200系カラーに復刻されたE2系J66編成。同車も近く引退予定となった。

‘22.6.12 上越新幹線 高崎~上毛高原 P:蔵光 淳
(鉄道投稿情報局より)

 「新幹線といえば青白のカラーリング」という、1964年の東海道新幹線開業時からあったイメージが覆されたのは、今から40年以上前となる1982年のことでした。この年に東北・上越新幹線が立て続けに開業し、専用車両としてアイボリーにモスグリーンの200系新幹線が登場します。その色から当時は「緑の疾風(はやて)」とも呼ばれました。

【写真】懐かしの200系たちの写真はこちら!

■長年親しまれたグリーンラインの新幹線

 登場当時こそ「青白ではない新幹線」として驚かれた200系でしたが、時が経つにつれて東北・上越新幹線に馴染んでいくことになります。1987年に国鉄が民営化すると東北・上越新幹線はJR東日本の管轄になりますが、奇しくもJR東日本のコーポレートカラーは200系の帯色に近いグリーンで、東の新幹線=グリーンのイメージはより定着し、親しまれていくことになります。

 また、JR化後に登場した100系の顔に似た200系H編成では、100系同様窓廻りの帯下に細帯を1本追加したピンストライプの塗装が施されるなど、マイナーチェンジも見られました。

■かろうじて繋がった200系オリジナルカラーの歴史

 そんな200系ですが、後継車両であるE2系が1997年にデビューすると、徐々に置き換えられていくことになります。同時に、分割併合装置を備えた10両のK編成の一部についてはリニューアル工事が進められることとなり、この際E2系に似た白とブルーのツートンカラーの間に、グリーンの帯を巻いたスタイルに変更されます。
 そのほかのオリジナルカラーを纏った編成は徐々に姿を消していくこととなり、ついに2007年に最後まで塗装・車体形状共にオリジナルに近いスタイルを貫いていたF19編成が引退。オリジナルカラーであるグリーンラインの200系の歴史にピリオドが打たれたかのように見えました。

 ですが時を同じくして、東北・上越新幹線開業25周年を記念し、K47編成1本がオリジナルカラーに復元されました。厳密に見ると、K47編成はリニューアル車であり、内装のみならず先頭車運転台廻りの形状も原型とは大きく異なります。それでも200系のオリジナルカラーの歴史が続いたとあって、非常に注目されることとなります。ちなみにこのK47編成は200系リニューアルの第1号編成であったという側面もありました。

 なお、このオリジナルカラーのK47編成は200系の晩年まで活躍し、2013年3月改正で定期運行を終了。その後4月にラストランを行ない、200系の有終の美を飾りました、

■9年ぶりに帰ってきた「200系カラー」

 200系K47編成が引退したことで、一時は途切れたアイボリーとモスグリーンの新幹線ですが、2022年の鉄道開業150周年、並びに東北・上越新幹線開業40周年を記念し、200系の後継車両であるE2系J66編成が「200系カラー」として、懐かしの色に復刻されました。さらにこのJ66編成は塗装だけではなく、かつて各駅ごとにあった車内の「ふるさとチャイム」までもが復活するという徹底ぶりでした。
 2013年の引退から9年、東日本にグリーンラインが帰ってきたということで、レイル・ファンのみならず、200系時代を知る多くの人々にとっても懐かしい存在ということで、注目を集めました。

 そんなJ66編成ですが、先日2024年3月での定期運行終了が発表されました。現在、200系を置き換えたE2系自体も引退時期が近づいています。3月のダイヤ改正では「つばさ」と併結する「やまびこ」運用もE2系からE5系に置き換えられることが発表されており、E2系が見られる機会自体が大幅に減ることが予想されています。

 再び懐かしのグリーンラインが見られなくなる東日本の新幹線ですが、現在の主力であるE5系には「常盤グリーン」と呼ばれる色が車体上半分に使用されています。200系の色とは異なりますが、今なお、東を走る新幹線には「グリーン」のイメージが根強くあると言えるでしょう。

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