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【こんなに違うの】西武鉄道9000系の新旧プラレール コダワリの作り分け!

2024.01.19

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は昨年発売されたばかりの「西武鉄道9000系」にクローズアップ。3色のカラーバリエーションの製品展開もなされましたが、実はこれが初めての製品化ではありませんでした。(編集部)


 昨年12月17日、西武鉄道のファンを大いに沸かせるプラレールが発売されました。「西武鉄道9000系」です。2024年現在、多摩湖線で活躍している9000系のうちイエロー・レッド・ブルーの3色が製品化されました。9000系のプラレールは2013年6月に初版が発売されており、2016年には「RED LUCKY TRAIN」、2018年には「L-train」がそれぞれ製品化されています。

【写真】コダワリの新旧作りわけ!9000系のプラレールを写真で比較!

 ですが今回発売されたのは車体更新を受けて多摩湖線に転属した後の姿となり、前回発売されたものとは大きく異なっています。2013年発売の旧製品と2023年発売の新製品を見比べて、どれほど変わったのか見ていきましょう。

▲2013年6月11日発売の「西武鉄道9000系」と2023年12月17日発売の「西武鉄道9000系(イエロー)」

 10年半ぶりに再度製品化された西武9000系。2013年版は9101F、2023年版は9102Fがモデルとなっており、2本揃えると連番で車体更新前後の姿の並びができます。2023年版の基本構造は2013年版から変わっていませんが、実車の動向を踏まえて車体の改修が行われた形になります。
 さらに、プラレール的に最も大きな違いは動力ユニットです。2013年版では当時の標準型動力ユニット(以下、新動力)が積まれていました。翌2014年からプラレールの動力ユニット更新(以下、新メカ)が始まり、全国発売の通常品の他、西武鉄道を含めた事業者限定品でも新製品から新メカの採用が始まりました。
 なお、「RED LUCKY TRAIN」「L-train」は新メカ登場後の製品ですが、2013年版の塗り替え品となるため新動力で発売されています。2023年版では車体改修を行うと同時に新メカ対応も施され、プラレール9000系では初の新メカ搭載車となりました。

▲社紋と車両番号が縦に並ぶ西武鉄道特有の表記法を再現しているのが2013年版の特徴だ。

 2023年版は多摩湖線転属後のワンマン仕様の姿であるため、印象が異なります。大きく変わったところでは、戸袋窓の閉鎖、屋根上のベンチレーターの撤去、モハ9200形のダブルパンタグラフ化が挙げられます。
 細かいところになると、乗務員扉直後の西武鉄道ロゴのデザイン変更の反映(SEIBU → 西武鉄道)、前面貫通路のエコマークの有無、側面車番の簡略化の反映があります。

 鉄道会社が以前の製品を再発売した例は他にもあります。京王電鉄は205系の車体と新規造型パーツの組み合わせで2000年に発売した8000系を、2006年に独自設計の完全新規造型で再発売。京浜急行電鉄も新1000形を2004年に発売していましたが、2019年に再設計の上で新メカ化しています。
 しかしこれらの例は「モデルが同じ車両を再設計して発売した」ものであり、西武9000系のように「既存の型をパーツ単位で改修して再発売」というものではありません。このように、鉄道会社の製品でパーツ単位の改修を行なった例は今回の西武9000系が初となります。設計が完全に変わっている京王8000系や京急新1000形は造型技術の進歩を感じられ、新旧で10年半もの差がある西武9000系に関しては、並べてもほとんど違和感がなく仕上げているところに西武のこだわりが見られます。

 2022年の6000系製品化、2023年の9000系多摩湖線仕様の製品化と、ここ数年ファンを驚かせている西武鉄道のプラレール展開。例年通りなら今年も12月に新製品の発表があると思われますが、次は何が発売されるのでしょうか?今年も事業者限定品の動向から目が離せそうにありません。

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