▲クハE130形側から見た3両編成。
text & photo:RM
取材日:’23.12.14 場所:鎌倉車両センター中原支所
取材場所:東日本旅客鉄道横浜支社
JR東日本では、現在205系が活躍している鶴見線の置換用として完全新製のE131系を投入することになりました。
E131はこれまで房総地区用0番代、相模線用500番代、宇都宮・日光線用600番代が活躍中の地方線区向け一般型電車。今回の鶴見線用はそれにつづくもので1000番代が与えられています。
これまでと大きく異なる点として、既存車がいずれも車体幅2,950mmで裾絞りのある広幅車体であるのに対し、1000番代は裾絞りがなくて車体幅2,778mmという狭幅車体となっていることが挙げられます。これは鶴見線特有の車両限界に起因するものでしょう。正面から見た時に下すぼまりで丸みを帯びていた既存車に対し、角ばった印象の正面となっていることが印象的です。
また、いかにも貫通扉が設置されているように見える先頭部ですが、実は貫通扉のように見える部分は固定されたダミーで、車内側には全幅に渡って運転台機器が配置された全室構造運転台となっています。実際鶴見線ではホーム長の関係から増結運転はあり得ないため、非貫通構造が採用されたようです。
▲外からは貫通路のように見えている中央窓ですが、室内側には機器が一杯で、開けられる構造にはなっていません。
■編成と外観
編成は同じ3両編成である600番代と似た構成で、クモハE131形+モハE131形+クハE130形となります。クモハは両側台車駆動、モハは片側台車駆動で、1.5M1.5Tと言うべきMT比率です。パンタグラフはクモハとモハに1基ずつ搭載されています。
アクセントとしてあしらわれている色は、海を表現するスカイブルーと、101系時代以来鶴見線のシンボルカラーである黄色。この2色がメインのラインカラーとなりますが、正面のドットパターン部には黄色の他に茶色が配されており、これは旧型国電時代の車体色をイメージさせるものとなっています。
注目すべき装備として、車外に乗降確認カメラが設置されており(既存のE131系と同様)、同線でもワンマン運転実施への準備が進んでいることが窺えます。
■車内
車内はオールロングシートで、各車にフリースペースを設置。通常座席はラインカラーあるブルーとイエローで色分けされたモケットを持ちます。また、フリースペース部は床面を赤色系とし、優先席はモケットをグレーと赤色系として識別するようにしています。
ドア上部には17インチの大型ディスプレイ装置を設置。また、客室内防犯カメラも設置され、安全性・快適性も向上しています。
■営業開始日
このE131系の営業開始日は2023年12月24日から順次、と発表されています。全8編成が製造されることになっており、これは既存の205系と比べると1本減。既に6編成が配給輸送されていることを考えると、205系の活躍が見られるのはあとわずかな期間かもしれません。