text & photo:RM
取材日:’23.10.18 場所:豊田車両センター
取材協力:東日本旅客鉄道八王子支社
JR東日本では、高い着席ニーズがありながらこれまでグリーン車の連結が行われてこなかった中央快速線について、新たに2両増結という形で二階建てグリーン車を導入します。既に試運転などの様子が目撃されておりましたが、この度初めて報道公開されました!
▲2両が増結という形で連結される二階建てグリーン車。
▲トイレや業務用室を持つサロE233形0番代。定員は86名。
▲全区画が客室となるサロE232形0番代。定員は94名。
E233系としては従来より、近郊仕様の3000番代にグリーン車サロE232/233形が連結されていますが、それと比べると今回の中央快速仕様には下記の特徴があります。
●両開きドアの導入
東京駅など折り返し駅での乗客のスムーズな乗り降りを実現するため、従来の片開き(開口幅810mm)から両開き(開口幅1,300mm)へと変更されています。
▲グリーン車としては極めて異例となる両開き扉を採用。また車端部平屋部分は従来車が3列座席があるところ、2列となっています。
●自動回転座席の導入
東京駅における短時間での車内整備を可能とするため、座席を自動的に回転する仕組みを導入しています。
▲座席の自動回転のイメージ。なお、平屋部の座席は列が少ないこともあり手動回転となります。
中央快速線E233系2階建グリーン車の座席自動回転の模様です。 pic.twitter.com/DPb6YkU0bq
— Rail Magazine(レイル・マガジン)【公式】 (@RM_nekopub) October 18, 2023
■車両内観
▲2階席。
▲1階席。
▲平屋部座席。
▲一般洋式便所。
▲洗面所。
■定員確保のマジック
両開き扉の採用により、座席定員に影響が出そう…と思ってしまいます。しかし実際には2両合計での座席定員は180名で、既存のE233系3000番代グリーン車のそれと同数となります。その解決のため、台車中心間距離を従来比670mm延長(台車を外寄りに移動させたということ)した14,820mmとし、二階建て部分の座席列を1列増やした10列としています。その分、平屋部が3列→2列に減らされていますが、これでプラスマイナスゼロとなる計算です。
また、従来はサロE232形とサロE233形でトイレ設備と乗務員室設備を分散して配置していましたが、今回の0番代ではサロE233形に集中配置となっていることも特徴となります。
■導入は2024年度末(2025年春?)
このグリーン車導入は、編成両数が増えることから地上側の改修が必要となっており、また車両の製造自体も半導体不足等の影響もあり当初計画より遅れています。現時点では導入は早くても2024年度末(2025年3月のダイヤ改正?)とアナウンスされています。
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P:田部井毅大