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全国的に最後の国鉄型電車による特急列車、381系「やくも」は、陰陽連絡路線のひとつである伯備線(はくびせん)経由で運転されています。山陰側の伯耆(ほうき)の国と、山陽側の備中(びっちゅう)の国を結ぶことから伯備線という路線名。路線途中には総社、高梁(駅名は備中高梁)、新見といった要衝の街がある一方、名も知られぬ小駅も多数あります。しかも、漢字自体はさほど難しくはないものの、意外にクセがある読み方の駅が多いという印象…。
編集部が独断で選んだ伯備線難読駅名の駅10選をお送りします。なお、執筆順は路線の下り列車方向とし、難易度(数値化が難しい)とは関係はありません。
1.豪渓(ごうけい)
倉敷から3駅目、吉備線と接する総社駅の次の駅。豪渓とは紅葉の名所としても知られる渓谷で、岡山有数の観光地です。ただし駅と現地とはそれなりに離れています。
‘23.5.21 伯備線 豪渓〜総社 P:石川一介(今日の一枚より)
2.日羽(ひわ)
豪渓の次駅で、漢字自体はありふれていますがいろいろな読み方が考えられる組み合わせですよね。昭和30年代に新設された、線内では比較的新しい駅です。
3.美袋(みなぎ)
難読駅名としてネタにされることも多い駅ですが、字面も音も美しく、また雰囲気のある木造駅舎が健在で、一度は訪ねてみたい駅と言えるでしょう。
‘22.3.11 伯備線 美袋~備中広瀬 P:和田温司(今日の一枚より)
4.方谷(ほうこく)
備中高梁駅から3駅目、ここも木造駅舎が健在です。方谷という駅名は地名由来ではなく、幕末の漢学者・山田方谷に由来するとのこと。
‘22.7.2 伯備線 方谷~広石信号場 P:梅原正樹(今日の一枚より)
5.石蟹(いしが)
新見駅のひとつ手前、思わず「いしがに」と読んでしまいそうです…。ここも木造駅舎が健在。
‘22.9.18 伯備線 石蟹~新見 P:田中瑛三(今日の一枚より)
6.足立(あしだち)
これも「あだち」と読んでしまいそうですね。この駅についてのトリビアとしては、かつてSLブーム時代に有名であったD51・三重連の貨物列車の始発駅であったことが挙げられます。
‘23.1.25 伯備線 新郷~足立 P:國廣昭二(今日の一枚より)
7.新郷(にいざと)
「しんごう」ではないんですねぇ…。伯備線では当駅までが岡山県内にあり、JRの岡山支社と米子支社との境界でもあります。
8.生山(しょうやま)
これも漢字自体はごく簡単ですが、読み方はいろいろ考えられて一発で正解にたどり着かないパターン。一部の「やくも」停車駅でもあり、周辺では乗降人数も比較的多い駅となります。
‘23.5.2 伯備線 生山~上石見 P:吉原成知(今日の一枚より)
9.根雨(ねう)
根雨と隣駅の黒坂間は有名撮影地ですので、読めないとレイル・ファン的にはちょっと恥ずかしいかも…? やはり一部の「やくも」の停車駅です。
‘22.8.21 伯備線 根雨~黒坂 P:石川伸也(今日の一枚より)
10.江尾(えび)
10選の最後は、終点の伯耆大山から遡って3駅目の駅。私鉄の岳南電車には「岳南江尾(こちらは『えのお』)」がありますが、「えび」とはかなり捻った読み方に感じます。
普通列車しか止まらない駅が多くなりましたが、そんな駅をのんびり訪ねる旅も、いいかもしれませんね。
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さて、その伯備線に着目した新刊のムックが出来上がりました! 題して「ザ・ラストモーメント 381系「やくも」」。
381系の興味深い振り子装置の発達史と、後継の振り子車両たちを一覧できる記事を掲載。そしてこの「やくも」のラストワンとしての存在を珠玉のグラフでご紹介します。
◎主な新規記事
・読者傑作選グラフ…約500点におよぶ応募のあった読者作品から厳選。
・スペシャルギャラリー・381系「やくも」/EF64 1000の牽く貨物列車
・瀬戸大橋開通35周年、開業時回顧録
・津山まなびの鉄道館
◎主な再録記事
・日本の振り子車パイオニア381系
・走り始めた“WEST EXPRESS銀河”
・岡山、国鉄天国!
・岡山地区における国鉄型気動車の現況
ほか
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