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中央・総武線の4号車だけシートが柔らかい!?調べたら分かった納得の理由

2023.07.14

text & photo:上石知足(鉄道ホビダス)

 中央本線の三鷹駅から御茶ノ水駅を経由し千葉駅まで至る中央・総武線。東京から千葉近郊ではお馴染みの黄色い各駅停車ですが、現在主力で活躍しているE231系500番代の4号車だけ、シートの座り心地が他とは違います。それだけではなく、内装も細かいところで少しずつ違うのです。

↓中央・総武線E231系500番代 4号車の違いとは?↓

■元々山手線で走っていたE231系500番代

▲山手線時代のトウ520編成(現・ミツA520編成)。この編成は山手線から中央・総武線への転属第一号となった。

’09.9.20 山手線 目黒〜恵比寿 P:泉山武士
(お立ち台通信より)

 中央・総武線を走るE231系500番代は、全て当初は山手線に新製配置された車両です。落成当時は11両編成で、6ドア車を2両組み込んでいました。長らく大きな動きがなかった車両でしたが、2010年に転機が訪れます。それがホームドアの設置でした。

■6ドア置き換えのため生まれた新製4ドア車

  2010年より、ホームドア設置が進められることとなった山手線。ですが中間に2両連結される6ドア車は構造上ホームドアに対応することができませんでした。そこで落成から数年しか経っていませんでしたが、代替の4ドア車を新造し、置き換えることとなりました。
 製造されたのはサハE231形の4600番代と600番代。同車は当時最新鋭であったE233系に準じたものとした上に、10号車に組み込まれた4600番代は、工事などで京浜東北線を走行する際、E233系1000番代の10号車とドア位置が合うように変則的な扉配置となりました。
 一方、7号車に組み込まれた600番代は、ドア位置も従来通り、外装もE231系に準じたデザインとなっており、見た目はそこまで大きな変化はありませんでした。ですが、内装は荷棚や手スリ、仕切り板の形状からE233系をベースとしたことがはっきりとわかりました。さらに、座席もE233系と同等のものが付けられました。

■600番代は中央・総武線へ 4号車だけ違う内装

▲大きく違う袖仕切りのデザイン。上写真がサハE231形600番代、下写真が他の車両のもの。

 そんなE231系500番代は、2014年のトウ520→A520編成を皮切りに、10号車のサハE231形4600番代をE235系に編入して10両化、中央・総武線へと転属していきます。ただ抜き取られたのは先述の通り4600番代のみで、600番代は4号車となりました。これが中央・総武線の4号車だけ座り心地が違う理由です。
 E233系をベースとしたシートは、先代E231系よりクッション性が改善されており、乗り比べるとその差は歴然です。ただし、中央・総武線4号車は全編成が弱冷房車に指定されているので、人によっては夏の時期、少し暑いかもしれませんね。

 ちなみに同線で以前より走っているE231系0番代や、東西線直通の800番代は例外となりますのでお気をつけください。

↓中央・総武線E231系500番代 4号車の違いとは?↓

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