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コダワリの逸品!?新旧「快特」車両の京急限定プラレールがすごかった!

2023.06.16

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は事業者限定品プラレールの中でも特に数多くの製品が出ている京急に注目!数ある製品の中でも特に意欲作であった2100形と、その先代に当たる2000形について詳しく解説していきます。(編集部)


 前回の記事で少し触れた、京浜急行電鉄の限定プラレール。その始まりは、1999年に当時の通常品にあった205系がモデルの製品「通勤電車」の塗り替え品でした。600形とされたこの京急のプラレールは大当たりし、翌2000年に再販までされています。その後、2005年8月に当時の最新型である新1000形を新規造型で発売。事業者限定品としてはかなり力を入れた造型が評判となりました。以降は精力的に新製品を出し続け、車両単品・車両セットを合わせて過去に40品目(2023年6月時点。単品2本のまとめ売りも含む)も発売されています。今回はその中から、京急の快特用車両であり、プラレールにおいても意欲作として発売された2000形と2100形を紹介します。

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▲2007年10月に発売された「サウンド京浜急行2100形」は通常色とBLUE SKY TRAINの二種類が同時発売された。

 2005年に新規造型製品となる「京浜急行新1000形」「KIEKYU BLUE SKY TRAIN 600形」を発売し、早速プラレールで主力の通勤型二形式を揃えた京急。「快特」として運用されている2ドアクロスシート車の2100形の製品化も望まれていましたが、こちらも2007年に発売される事となりました。通常色とBLUE SKY TRAINの二色が用意され、中間車をサウンド車とし、当時の2100形の特徴であったシーメンス社製のVVVFインバータの音を収録しました。走らせるとあの「ドレミファインバータ」の音が鳴り、一躍大人気商品になります。京急車両の特徴である屋根上のアンテナや、クーラーキセの造型も素晴らしく、京急の企画力が伺える逸品です。

 通常色のモデルとなったのは2100形で最後に製造された2173編成、BLUE SKY TRAINは2007年当時に担当していた2157編成となっています。2100形はこの後も二度発売され、2016年に「サウンド京浜急行2100形」の再販として2165編成(通常色)、2133編成(2代目BLUE SKY TRAIN)が製品化。2022年には、サウンド機能を廃止した代わりに後尾車に連結器を搭載し、連結遊びに対応した「京急2100形(専用連結仕様)」として2101編成(通常色)が製品化されました。発売のたびにモデルの編成を変えるのが京急の商品展開のやり方のようです。

▲「京急2000形2ドアタイプ」の単品。

 2018年、先代の快速特急(快特)用車両であった2000形が3月に引退し、35年の歴史に幕を下ろしました。引退から間もない同年5月、プラレールで2000形が発売されましたが、これがファンの間で話題になりました。
 なんと、快速特急時代の2ドア車体と、引退時の格下げ後の姿である3ドア車体が作り分けられて同梱された「ダブルセット」として発売されたのです。それぞれ「2ドアタイプ」「3ドアタイプ(通常塗装)」と呼ばれ、前者が2011編成(2011が先頭)、後者が2021編成をモデルとしていました。同年7月から9月にかけて単品でも発売され、2011編成(2018が先頭)がモデルの「3ドアタイプ(リバイバル)」、2061編成がモデルの「2ドアタイプ」、そして4両編成の2451編成がモデルの「3ドアタイプ(通常塗装)」が出揃いました。

 プラレールといえば車体を使い回して前面パーツだけを変える手法が主流ですが、京急が2000形で採用した「車体側」を変えるというやり方はあまり例がなく、プラレール全体で見ても珍しいものとなっています。

 自社車両の音源を収録したサウンド車や、バリエーションごとの編成番号の変更、車体の作り分けなど、事業者限定品だからこそ出来る拘りであると言えます。

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