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空港特急から観光特急へ!今後が気になる253系の新旧プラレール製品を比較!

2023.05.05

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は初代「成田エクスプレス」の253系にクローズアップ!実車の登場後すぐに製品化された同車。2011年には東武直通用の「日光」「きぬがわ」に転用された後の1000番代も製品化されています。今回はそんな新旧253系のプラレールを見ながら、実車の歴史と製品のディテールを詳しく見ていきます。(編集部)


 東京から成田国際空港への直通特急である「成田エクスプレス」は、2023年現在ではE259系がその役目を担っていますが、2010年7月1日のダイヤ改正まではその初代車両である253系が使われていました。
 253系は成田エクスプレス運行開始に備え1990年に登場しました。白い車体に赤い塗装と黒色・灰色のアクセントが特徴的で、まだまだ国鉄の雰囲気が残っていた当時のJR東日本において、新時代を思わせる斬新な装いにデザインされました。最新の鉄道トレンドを取り入れるプラレールでももちろん製品化され、営業開始時期に合わせる形で1991年4月20日に商品名「成田エクスプレス」として発売されています。

↓新旧253系プラレール製品の比較写真はこちら!↓

 以前の記事でも取り上げたように、プラレールは1980年代から造型がより凝ったものとなり、以後発売される新商品は実車を上手くデフォルメした造形が一般的となりました。253系も例外ではなく、特徴的なカラーリングはもちろん、屋根上も塗り分けられた拘りの製品に仕上がっています。

▲1991年発売当時の「成田エクスプレス」

 前面・側面の窓は黒く着色されたクリアパーツで表現され、窓と一体となった黒い塗装を表現する際に、窓まで黒い塗装で表現すると不恰好になってしまいそうなのを立体表現に落とし込むことで上手く緩和しています。そんな成田エクスプレスも他製品の例に漏れず2003年にリニューアルが行なわれ、前照灯・尾灯のステッカー表現化とJRロゴを印刷してより一層引き締まった姿になりました。しかしその期間も長くは続かず、2009年10月に新型車両E259系がデビューすると同年11月に「成田エクスプレス」の名を踏襲して発売され、253系は入れ替わりで絶版となってしまいました。

 空港連絡に特化した車両だった事もあり、253系のほとんどは転用される事なく廃車され、一部は189系・485系の置き換えを目的に「日光」「きぬがわ」用に改造された車両、または長野電鉄に譲渡されたものもありましたが、それ以外のはほとんどは解体されました。

 「日光」用に改造され、空港連絡列車から観光輸送へとチェンジした253系ですが、なんとこれもしっかりプラレールで製品化されています。2011年10月に、当時展開していた「ぼくもだいすき!臨時列車シリーズ」の一つとして「253系日光号」との名で発売されました。

▲「253系日光号」の編成写真

 「日光」に転用された253系は、成田エクスプレスで行われていた分割併合機能が不要となったため、前面の貫通路を塞いで愛称表示器を設置しています。プラレールで再現するとなると、車体には手を加えず塗り替えで済ませても問題ないように思える程度の差異ですが、ここもしっかり前面の造型を変更した上で製品化されています。

▲「成田エクスプレス」と「253系日光号」の並び。

 「日光」はブラックフェイスとなったため分かりづらいですが、旧製品と比べてみると貫通路のモールドが廃され、拡大された窓と愛称表示器が再現されている事が分かります。

 成田エクスプレスからの撤退から13年、日光でのデビューから既に12年が経った253系。系列としての寿命を思うと、先はあまり長くない列車かもしれません。

↓新旧253系プラレール製品の比較写真はこちら!↓

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