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特集・コラム

キハ40系、今乗るならどこで乗れる?【北海道編】

2023.03.25

text:RM

 最後の全国区気動車と言われるキハ40系。かつては東西南北全国津々浦々まで、非電化区間ならほぼどこにでも居た…ようにすら感じますが(実際には2エンジン車が適正な勾配区間や都市近郊などでは見られませんでした)、さすがに急速にその数を減らしてきています。旅情をかきたてるボックスシートに今乗ろうと思ったらどこに行けばよいのか…エリア別にご紹介していきたいと思います。本記事では北海道エリアをご紹介しましょう。
※なお、3月18日ダイヤ改正後の確定情報がまだ出揃わない段階のため、暫定情報が含まれることをご了承ください。

JR北海道旭川運転所所属車
 最北のキハ40配置所であり、30両前後というまとまった両数の配置があります(年度末で変動が生ずる可能性があります)。番代はすべて1700番代で、この仕様は酷寒地用100番代→ワンマン化で700番代→エンジン換装で1700番代という成り立ち。宗谷本線(音威子府以南)、石北本線、釧網本線(網走口の区間運用)、根室本線(滝川~東鹿越)、函館本線(旭川~滝川)間…という非常に広いエリアで活躍していますが、キハ54形やH100形との併用区間も多く、運用は減少傾向と言えます。また、根室本線・富良野~東鹿越~新得間(東鹿越~新得間は数年前から不通)の廃止問題も抱えており、乗りたいなら待ったなしの状況と言えましょう。なお、3月31日一杯で石狩沼田~留萌間が廃止となる留萌本線ではキハ40の定期運用はありません。

‘22.6.3 根室本線 滝川~東滝川 P:佐藤直幸(鉄道投稿情報局より)

‘20.12.13 宗谷本線 南比布 P:湯本大覚(今日の一枚より)

JR北海道苗穂運転所所属車
 函館本線・札幌~旭川間での一部運用のために1700番代が5両配置されています。また、希少な300・330・400・450番代といったグループ(それぞれ車内やエンジン仕様が異なる)も少数在籍していますが定期運用は持っておらず、いつ淘汰されても不思議ではない状況です。

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‘13.5.25 室蘭本線 御崎~輪西 P:谷川 稜(鉄道投稿情報局より)

JR北海道苫小牧運転所
 室蘭本線、千歳線、石勝線、日高本線での一部運用のために1700番代が6両配置されています。かつては日高本線専用の350番代が名物車両でしたが、既に全廃済。また、室蘭本線・千歳線といった電化区間での運用は、来る5月の737系電車デビューによって影響を受ける可能性が高いと思われます。

‘21.12.18 日高本線 勇払~浜厚真 P:恩田英史(今日の一枚より)

JR北海道函館運輸所所属車
 道内では旭川に次ぐ規模でキハ40の配置があり、函館本線(函館~長万部)間などのために1700番代が15両配置されています。当区間の普通列車はすべてキハ40という純度の高さですが、北海道新幹線札幌延伸の暁には大きな動きが見られることでしょう。

道南いさりび鉄道所属車
 北海道新幹線・新函館北斗開業時に、並行在来線の五稜郭~木古内間が移管された第三セクター鉄道には、キハ40形1700番代が9両譲渡され今も活躍中です。うち2両は「ながまれ号」として観光用の内装とされていますが、運が良ければ通常運用で乗車することも可能。現時点で置換の計画などは出ておらず、道内ではここが一番(少なくとも当面は)安泰…という感じがします。

‘22.10.29 函館本線 仁山~新函館北斗 P:熊谷孝志(鉄道投稿情報局より)

 以上、北海道でのキハ40の活躍についてでした。まだ広く活躍している…という印象を受けるかもしれませんが、列車本数の少なさ、他系列との併用という状況を考えると、乗車プランを考えるときにその難易度に頭を抱えてしまいそうです。くれぐれも悔いのないように乗車・撮影を楽しんでいただければと思います。

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