185系

特集・コラム

国鉄近郊型電車の大エース・113系は今や115系よりもマイナー?どこで乗れる・見られる?

2023.02.11

text:RM

 国鉄時代の1963年に登場し(始祖となった111系は1962年登場)、1981年まで18年間にわたって増備の続いた直流近郊型電車113系。勾配線区用の115系よりも実に1,000両も多い2,900両以上が製造され、東京・名古屋・大阪の大都市圏を中心に最長15両編成で活躍していました。現在もまだ少数が活躍中なのですが、正直115系よりも少々存在感が薄いというか…少々意外な線区も含めて、どこで活躍しているのか改めてチェックしてみましょう。

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かつては三大都市圏すべてで見られた湘南色の113系は、既に現存しません。

‘13.2.14 湖西線 大津京 P:藤谷悠佑(鉄道投稿情報局より)

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千葉地区の113系は、横須賀線に端を発する「スカ色」でした。

‘10.9.12 総武本線 物井~佐倉 P:齋藤大暉(お立ち台通信より)

吹田総合車両所京都支所(湖西線、草津線、東海道本線ほか)
 名門車両区である京都支所には、湖西線・草津線で運用するための寒地仕様の113系が配置されています。登場時は700番代および2700番代でしたが、現在は高速化対応改造にて5700・7700番代に改番され、4両編成を組んでいます。塗色は長年湘南色で、「カフェオレ色」とも呼ばれた更新車色の車両もいましたが、現在は京都地域色であるモスグリーン一色です。

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モスグリーン一色の塗装と、撤去されたベンチレーターが、現代の113系らしさというところ。2両目はダブルパンタ化改造されています。

‘17.4.5 東海道本線 岸辺 P:水岡清助(鉄道投稿情報局より)

 湖西線・草津線は国鉄時代の電化時からこの寒地仕様の113系が新製投入されており、由緒正しい113系使用線区とも言えるでしょう。最長で4連×2の8連でも運転されています。なお、東海道本線を走るのは京都~草津間となります。

吹田総合車両所福知山支所(舞鶴線、山陰本線ほか)
 福知山には、かつての113系にはあり得なかった2両編成の113系が6本配置されています。そもそも113系には新製形式としては先頭電動車がなく、最短編成が4両というのが「常識」でした。つまり2両編成というのはどちらも先頭車化改造車から組成されていることになります。塗色は京都車と同じモスグリーン一色です。

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検査後の試運転で東海道本線を走る福知山の2両編成の113系。先頭車はやはりダブルパンタとなっています。

‘17.6.21 東海道本線 高槻 P:横田篤史(鉄道投稿情報局より)

 現在の運行線区は、舞鶴線・綾部~東舞鶴、および山陰本線・綾部~城崎温泉間。これらの区間が電化されたのは1990年代以降のため、あまり113系の活躍線区という点ではイメージが薄い感じがしますが、軽快な2両編成でローカル風景を行く113系、旅情はたっぷり感じられることでしょう。

下関総合車両所岡山電車支所(山陽本線、宇野線ほか)
 115系の記事でも紹介した岡山電車支所には113系も配置されています。ここは113系としての基本である4両編成で13編成という大きな勢力で配置されています。塗色は中国地域色である濃黄色一色です。先日第一陣が落成した227系500番代によって置換の対象となっていますので、乗車や記録はお早めに。

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臨時列車として、普段は見られない8両編成となった姿。

‘19.7.27 山陽本線 備後赤坂 P:礒本 尚(鉄道投稿情報局より)

 国鉄時代の113系と115系は、正面の塗り分け形状で簡単に見分けが付くようになっていましたが、現在の一色塗装ではなかなか見分けが難しくなった感じがします。無論、編成番号などで識別は可能のため、現場で混乱することはないのでしょうが、ファンとしてはより注意して見ていかないとという時代になりましたね。

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