185系

特集・コラム

国鉄近郊型電車の代表格、115系は今どこで乗れる・見られる?

2023.02.04

text:RM

 国鉄時代の1963年に登場し、実に1983年までと20年間にわたって増備の続いた直流近郊型電車115系。製造両数は実に1,921両と言われ、かつては本州の直流電化区間で広く活躍をしていました。さすがに両数を減らしている…というのは時の流れの必然なのですが、では今その勇姿はどこで見られるのでしょうか。注目の電車、今見て、乗っておかないとですよね…!

しなの鉄道(しなの鉄道線・北しなの線)
 長野県内のJR信越本線の一部が第三セクターに移管されたしなの鉄道では、移管時に元々活躍していた115系も一緒に譲渡を受けて長年使用しています。近年は新型車両のSR1系の投入で数を減らしていますが、まだ主力系列の地位にあり、形態的にも比較的原形を留めているのは嬉しいところ。3両編成と2両編成が在籍していて、数編成に特徴あるカラーリングが施されており、見ても乗っても楽しいエリアになっています。

S3編成は湘南色をまとっており、最も注目度の高い編成と言えます。

‘23.1.10 しなの鉄道北しなの線 妙高高原~黒姫 P:大森 裕(今日の一枚より)

特徴ある編成
・S2編成「佐久地域星空トレイン晴星」
・S3編成「湘南色」
・S7編成「初代長野色」
・S9編成「台鉄色」
…以上4編成の運用は、しなの鉄道WEBサイトにて公開されています。

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「ろくもん」がえちごトキめき鉄道に乗り入れたワンシーン。

‘18.4.7 えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン 上越妙高~南高田 P:鷲澤拓弥(鉄道投稿情報局より)

・S8編成「ろくもん」
…同編成は観光列車専用で、独自の運行ダイヤにて運転されています。

下関総合車両所岡山電車支所(山陽本線、伯備線ほか)
 岡山エリアは、現在電車も気動車も国鉄型が大々的に主力を担う注目のエリアです。活躍エリアは山陽本線(姫路~三原)、赤穂線、宇野線、伯備線、山陰本線(伯耆大山~西出雲)など。なお、車両基地の名称は長年「岡山電車区」として親しまれましたが、2022年に名称変更となっています。

 115系D23編成(下関総合車両所からの回送時の模様)。

‘21.10.16 山陽本線 広島 P:江口賢志(鉄道投稿情報局より)

 同所の115系は、3連のD編成と2連のG編成があり、D26・27の2編成を除いて全体が濃黄色の中国地域色となっています。

岡山地区で注目を集めるのは、D26・27の2本存在する湘南色の編成。

‘22.4.7 伯備線 井倉〜方谷 P:清水 聡(今日の一枚より)

 G編成のパンタ付き先頭車となるクモハ114形は全車先頭車化改造車で、切り妻スタイルの前面を持ち、一見すると115系とは思えないスタイルであることも特徴と言えるでしょう。なお、つい先日に後継車となる227系500番代がお披露目となり、2023年度より順次運行が開始されます。記録と乗車はお早めに…。

岡山の115系などを順次置き換えていく227系500番代「Urara」。

‘23.2.2 近畿車輛 P:RM

下関総合車両所(山陽本線)
 本州西端である下関エリアも、115系がまだまだ活躍している注目のエリアです。ここには4両のN編成と2両のT編成が在籍しており、山陽本線・岩国~下関間で運行されています。N編成は、115系の中でも変わり種と言える2扉転換クロスシート車・3000・3500番代で構成されているのが大きな特徴です。

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N編成が珍しく宇部線に入線したワンシーン。

‘16.8.21 宇部線 阿知須 P:浜中裕史(鉄道投稿情報局より)

 115系3000番代は、元々は「広島シティ電車」として広島地区に投入されたグループ。「新快速」117系に似た側面見付ながら、性能的には115系と揃えられていました。後に117系の短編成化で発生した中間車を編入した3500番代も加わり、現在はこの下関に集中配置となっており、「ここでしか見られない」グループとしてもっと注目を集めても良い存在と言えましょう。なお、塗色は現在全編成が中国地域色の濃黄色となっています。

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切り妻で貫通型先頭車のクモハ114形は下関にもいます。

‘17.10.20 山陽本線 新下関~幡生 P:川端智司(鉄道投稿情報局より)

 下関エリアでは具体的な車両置換の計画が発表されておらず、しばらくは安泰な状況と思われます。

 以上、現在でも115系が活躍しているのは2社・3エリアのみというのが実情です。まだ普通に乗れるうちに、たくさんの思い出を作っておきたいものですね。

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