text & modeling & photo:根本貫史(RMM)
TOMIXでは雄大な鉄道シーンを演出するアイテムとして長大な橋梁がラインナップされています。今回紹介するのは、曲線のアーチが美しい近代的な外観を持つ「複線コンクリート橋」です。こちらは複線レールに対応した仕様になっています。長大橋梁ということで、川幅の広い河川や、深い谷を同じレベル(海抜)を保ったまま渡るという、どちらも壮大な地形や風景の中を駆け抜けるシーンを再現するのに最適な製品です。ここではその2つの長大橋梁の楽しみ方を考えてみたいと思います。
↓詳しい遊び方はこちらから!↓
■まずは実物に学ぶ、ということで…
TOMIX製品と同じ構造の橋は、「コンクリートアーチ橋」と呼ばれる構造で、東京近郊では中央本線の立場川橋梁(信濃境〜富士見)で、同じ構造の橋梁を見ることができます。
この橋梁は製品のような直線区間ではなく、ゆるやかな曲線になっています。 立場川橋梁は1980(昭和55)年製で比較的新しい橋梁ということもあり、コンクリートの劣化も少なく、色も美しい印象です。橋梁全体はコンクリート製なので灰色ですが、製品の灰色と比較すると夏の強い陽射しの影響もありますが、実物の方がより白っぽく明るい灰色といった印象です。
■複線コンクリート橋をより実感的に仕上げる
実物の立場川橋梁を参考に、コンクリート橋全体を明灰色に塗装してみました。塗装をすることで、プラスティック成型色の灰色よりコンクリートの質感が強調されて、実物の印象により近付きました。またレールや架線柱などにもタッチアップを施しました。
■複線コンクリート橋を組み込んだフロアーレイアウトプランを考える
複線コンクリート橋も実感的に仕上がったので、いよいよフロアーレイアウトに組み込んで運転を楽しみます。 フロアーレイアウトの場合、山岳地帯を走る鉄道のような勾配や高低差を表現するのは難しいですが、ループ線を作ることで、山岳線らしい高低差を再現してみました。ループ線はもちろん製品としてはありませんが、勾配橋脚をうまく組み合わせることで意外と簡単に作ることができます。
■ループ線で高低差を増した山岳線風フロアーレイアウト
このように俯瞰で見ると、それほど勾配と高低差がないように見えますが、通常の高架橋脚の高さ(55mm)の2倍の高さ(110mm)の高低差があります。ループ線を設けることで、フロアーレイアウトでも山岳区間のような高低差を作り出すことができます。
ループ線は複線高架レールを使用し、橋脚は単線用の勾配橋脚と高架ビームの組み合わせで勾配を作りました。勾配の角度はTOMIXの勾配規格に合わせているので、車両も無理なくループ線を登れます。
●今回使用した製品(レール関連)
TOMIX
1161 複線カーブレールDC317・280-45(F)…8セット
3052 複線トラス鉄橋(緑)…1セット
3226 複線コンクリート橋(F)…3セット/※橋脚部品取り用…2セット
91092 待避線セット…1セット
1022 ストレートレールS280(F)…2セット
3016 PC勾配橋脚…2セット
3071 ニュー高架ビーム・S…9セット
4009 島式ホームセット(近代型)…2セット
↓詳しい遊び方はこちらから!↓
※こちらの記事は2012年8月刊行『クラブNゲージ Vol.4』の記事から抜粋しており、一部情報は当時のものとなります。あらかじめご了承ください。
コラム記事シリーズ「鉄道模型をはじめてみよう!」はこちらから