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特集・コラム

弁当箱に缶ケース?今がアツい「鉄道コンテナモチーフ」雑貨の魅力って?

2023.01.28

text & photo(特記以外):鉄道ホビダス編集部

 2023年1月、駅弁屋の老舗「淡路屋」から、2022年に第1弾となる「コンテナ弁当」が発売され話題となりました。その第2弾として、2023年1月には緑色の19D形コンテナを模した箱の「明石の鯛めし編」が発売されました。
 また、100円ショップの「セリア」では、実在するコンテナデザインをモチーフとした缶ケースを以前から発売しており、2022年にはこの缶ケースをディスプレイするのにぴったりな貨車「コキ106」の置き物が登場しました。

 このように、近年コンテナや鉄道貨物をモチーフとした雑貨系製品が人気となっていますが、今回は「コンテナ弁当」と「コンテナ缶ケース・コキ106」にスポットを当ててその魅力はどこにあるのか、詳しく探っていこうと思います。

↓コンテナ弁当とコンテナ缶の詳しい写真はこちら!↓

■食べてる時も存在感抜群!?淡路屋のコンテナ弁当

 2022年1月1日、お正月のこの日、淡路屋からとにかく見た目のインパクトが絶大な駅弁が発売されました。その名も「JR貨物コンテナ弁当 神戸のすきやき編」。見た目は名前の通りまさにコンテナそのもの。箱のモチーフとなったコンテナの形式は、現在もJR貨物の主力コンテナとして活躍を続けている19D形コンテナで、「神戸のすきやき編」では塗装が後年簡略化された形態を再現しています。JR貨物公認の品ということもあり、表記からレバーといったディテールもモールドで再現されており、ただの「お弁当箱」とは思えない密度感となっています。そして何よりニクいのが、実物と同じように縦方向の積み重ねができるところ。一度積むとどうしても複数個欲しくなってしまいます。

 この駅弁はその見た目のインパクトからたちまち話題となり、売り切れる箇所も続出。その度生産され、各地で販売されました。もちろんお弁当の中身もこだわっており、第1弾では商品名にある通り、淡路屋こだわりのすき焼き弁当が盛り付けられていました。

 こうして大好評だった第1弾ですが、続編を望む声も多かったということで、発売からほぼ1年が経った2023年1月7日に第2弾の「JR貨物コンテナ弁当 明石の鯛めし編」が発売されることとなりました。今回のコンテナの塗装は、鉄道コンテナ輸送50周年記念で2009年に50個限定で製造された黄緑色。ちなみにこの色は往年の国鉄コンテナをイメージしたもの。もちろん第1弾同様に積み重ねて楽しめます。

 この第2弾の中身は名前の通り鯛めしが盛られており、見た目以上にしっかりと量が入っているのが嬉しいポイント。ご飯まで鯛の味が染みており、コンテナだけでなくお弁当もしっかり味わって楽しみたい一品です。

■豊富な種類!集めたくなるセリアのコンテナ

 100円ショップのセリアでは、以前より鉄道コンテナをモチーフとした豊富な種類の缶ケースが発売されています。「ブリックコンテナ」の名称で販売されており、それぞれ12ft級と20ft級のサイズが製品化。それぞれに合った塗色と表記が印刷されております。
 実物にある細かいサイズ違いは省略されるものの、それぞれのコンテナデザインに合った凹凸のディテールがプレスにより付けられている点がマニア心をくすぐります。そのため同じ12フィート級コンテナでも、国鉄コンテナなのか、JRコンテナなのか、形式は何かによってディテールが異なります。

■やっぱり貨車も欲しい!コキ106登場

▲コキ106にコンテナを置いた時、緊締装置がちゃんと正しい位置(コンテナ中央の下部)に来るように設計されているところに感動。

 こうして鉄道コンテナを揃えていると、並べて貨物ターミナル風に置くのも楽しいですが、どうしても欲しくなるのが載せる貨車の方。

「きっとコキに載せたらサマになるんだろうなあ」

 と思った諸氏が多かったのか、まさかの貨車までもがセリアで製品化されました。それが2022年秋頃に突如登場したコキ106です。

 これはあくまで雑貨の置き物として製造されたもので、台車はモールド再現のみ、鉄道模型としての走行化などには対応はしていません。が、デフォルメしつつもコキの印象を的確に捉えており、押さえるべきところはしっかり押さえた製品になっています。特に床板の配管類や緊締装置、台車のモールドに至るまでディテールも可能な限り表現されており、シンプルながら存在感がある仕上がりになっています。

■遊び方の可能性を考えてみる

(写真:根本貫史)

 「コンテナ弁当」はカラーバリエーションや細かいタイプ違いが多い19D形コンテナがプロトタイプなため、塗り替えやデカールの貼り付けでより幅広くコンテナを楽しむことができそうです。また、鉄道模型のスケール的にはGゲージ(1:24)が近いということで、実際にGゲージの車両に積んで遊ぶ…なんていうこともできそうです。ただしスケールが大きいので、走らせるのにはそれなりな広さが必要になります。Gゲージはちょっと…という向きには、実物同様の色差しや立体感を出すスミ入れのようなちょっとしたディテールアップをするのも良さそうです。

 セリアのコンテナ缶とコキ106は鉄道模型で言うところのOゲージスケール(1:45)が近く、16番(1:80)などと比べると大きめ、Gゲージと比べると小さめ、といったサイズ感です。うまく加工をすれば鉄道模型として線路上を走らせることもできるかも…と考えていると貨車に留まらず今度は機関車も欲しくなってきます。是非とも今後の製品展開に期待したいですね。
 また、コキはそもそもの車体がデフォルメされているため、細かいことさえ気にしなければ色の塗り替えで簡単にバリエーションを楽しめそうです。特に実物の車体長が短いコキ200は、セリアのコキ106の印象に近いと言えるでしょう。実際に20ftコンテナを2個積めるというサイズが、セリアのコキ106と実車のコキ200で共通しています。また、コキ200には鹿島臨海鉄道所有の「コキ2000」というバリエーションも存在しており、表記デカールでこちらを再現してみるのも楽しそうです。

 また国鉄コンテナは、廃棄されたものの倉庫利用が全国的に見られます。インテリアとしてこの廃コンテナを意識したウェザリングを施して、小物入れなんかにするのもオシャレかもしれません。

 日常生活でも使いやすいミニチュアとして今注目を集めるコンテナや貨車。手頃なサイズ感が可愛らしいこれらの活用方法はまだまだたくさんありそうです。ぜひ、自分だけの使い方・遊び方を探ってみてはいかがでしょうか。

↓コンテナ弁当とコンテナ缶の詳しい写真はこちら!↓

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