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特集・コラム

家で地下鉄を再現!?鉄道模型で都会の地下を楽しむ「工夫」とは?

2023.01.18

text & modeling & photo:根本貫史(RMM)

 東京をはじめ、日本の主要都市の多くには公共交通機関として地下鉄が走っています。地下鉄はその名の通り、都心の地下を潜るように走り、時には水泳で呼吸するかのように一瞬だけ地上に顔を出し、そして再び地中深くへ潜ります。また時には郊外から都心を結ぶ重要な動脈の一部となり、相互直通運転により、地上の郊外を走る姿も見られます。そんな地下鉄は大都市の鉄道シーンを再現するのに欠かすことのできない存在です。

↓Nゲージで地下鉄を再現する技!画像一覧はこちら!↓

 Nゲージでは、最近になって各社から地下鉄車両が続々と製品化され、手軽に地下鉄車両を楽しむことができるようになりました。しかし、地下鉄といえばやはり走るのは「地下」。地下鉄を走らせる環境は、乗り入れ先の地上区間という設定で走らせるほかありませんでした。
 そこで今回はお座敷でも楽しめる地下区間をイメージしたレイアウトプランを考えて、実際にレイアウトを楽しんでみることにしました。当然地面を掘ってレールを埋め込むことはできませんし、それでは走行シーンは楽しめません。そこで視覚的に、地下空間をうまく再現できないか考えてみることにしました。

■まずは地下鉄内部や駅ホームを観察する!

 地下鉄のホームはその場で観察できますが、地下区間の様子は前面から眺めるほかありません。しかし、地下鉄車両の多くは運転士の視界確保の面から前面展望が楽しめません。そこで地下を走る特急列車に注目。前面展望ができる車両は限られますが、側面窓の大きい特急列車なら、トンネル内部の様子をよく見ることができます。

■地下鉄レイアウトにプラレールが大活躍!

▲プラレールの地下直線レール(R-25)は、トミックスの複線高架レールがピッタリ入る大きさ。パンタを全開に上げてもぶつからないクリアランスがある。特に加工はしないので、お父さんは息子に買い与えて共用で楽しむことができる。

 さて、いよいよ地下鉄レイアウトのプランニングに入ります。地下鉄を再現する上で、今回注目したのが鉄道トイの王様であるタカラトミーのプラレールです。プラレールではNゲージよりも早くから地下鉄車両やレールが展開されており、今回はこれらをNゲージに利用することにしました。本来は子供向けのオモチャ。しかしその製品は大人をも魅了する面白い製品ばかり!思わずプラレールに浮気しちゃいたくなってしまいます。

 続いて地下空間の表現を考えます。単純に地下を連想するとズバリ暗闇。安直な発想ですが、お座敷に黒い布を敷いてその上にレールを敷設すればその雰囲気が再現できそうです。使用したのは生地を扱う手芸店などで入手できる黒色のフェルト。事前にお座敷の畳上でレールを仮置きしてサイズを計り、その必要な面積の生地を購入しましょう。作例では計測ミスでわずかにつんつるてんになってしまいました…。

■お座敷が地下空間に大変身! 地下鉄が主役のレイアウト。

 部屋の明かりを消して、車両の室内灯だけが眩しく光る…。そこはまさに地下空間そのもの。実物では地下空間を俯瞰で見ることはできないが、アリの巣のように都会の地下空間を覗くと、きっとこんな世界なのかもしれない。

 青白く光る地下空間。光線のように走る地下鉄車両…。いかがでしょうか?工夫次第でお座敷でも地下空間が手軽に再現できるのです。上のイメージカットでは部屋の照明を消していますが、次頁の写真は照明を点けた様子です。照明を消さなくても、黒い生地のおかげで地下空間が十分に再現できます。また、市販のガラステーブルを置くことで、一部に地上を再現しました。ガラステーブルの上には、KATOのユニトラムを配置し、地上の賑やかな街並みの直下に広がる地下空間がより強調され効果的です。プラレールの橋脚を黒に塗ったのも、レールが視覚的に浮いた状態に見え、そこが地下であることを強調するためです。

■TOMIXの複線高架レールで 対向式地下鉄ホームを作る!

 地下鉄のホームはNゲージでは製品化されていないので、TOMIXの複線高架レールから自作します。ホームは5mm厚のスチレンボードを使います。ホームの壁面などはパソコンで自作しました。

↓詳しい作り方はこちら!↓

※こちらの記事は2011年7月刊行『クラブNゲージ Vol.2』の記事から抜粋しており、情報は当時のものとなります。あらかじめご了承ください。

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