本文:RMM 写真:羽田 洋
協力●株式会社デアゴスティーニ・ジャパン
1872(明治5)年に日本初の鉄道が開業してから150年となる2022年、大サイズの鉄道車両完成モデルのシリーズがスタートすることが決定! 発売元はこれまでに数々のユニークなシリーズを送り出してきたデアゴスティーニ・ジャパンで、創刊号は9月27日にリリースされます。すでに鉄道趣味界で話題になりつつあるこのシリーズがどのような内容なのか、見ていきましょう。
「鉄道車両 金属モデルコレクション」というタイトル名の通り、本シリーズは金属製の車両モデルを毎号1両ずつコレクションしていきます。縮尺は1:87で、これはHO規格の鉄道模型と同じです。我が国で広く普及しているNゲージより大サイズなので、見た目のインパクトは十分。車体と主要なディテールはダイキャスト製で、重厚感も実車さながらです。そして、組立や塗装、標記も済ませたディスプレイモデルの完成品なので、購入したらそのまま飾ることができます。隔週でディスプレイモデルが充実していく様は、さながら自宅のミュージアムを充実させていく感覚と、例えることができるのではないでしょうか。
▲創刊号:485系クハ481形100番台 特急「雷鳥」 国鉄在来線特急を代表する存在であった交直流電車485系のうち、ボンネット型先頭車クハ481形の改良版100番台を再現。雪国を走行するこの車両は、ヘッドライトケース下部の外気取入口に過冷却を防止するためのカバーが設置されており、そういったディテールもしっかりと再現されています。 9月27日発売
予定
▲2号:D51形蒸気機関車 D51 200 「デゴイチ」のニックネームで親しまれ、我が国の蒸気機関車の代名詞的存在とも言われたD51のうち、標準型と呼ばれるスタイルを模型化しています。JR西日本で動態保存されている200号機のプレートやキャブ側面の製造銘板も再現。前端梁上部の外掛式のテールライトなど、200号機ならではのディテールも専用パーツで表現されています。 10月11日発売予定
▲3号:0系21形新幹線電車21-1 「ひかり」 1964年に開業した東海道新幹線の初代車両で、山陽新幹線開業後も活躍をつづけた0系の下り向き先頭車21形を再現。シリーズを通し同一縮尺なので、在来線車両との大きさやゲージの違いも実車と同様です。客扉廻りの表記類は東海道新幹線開業時のスタイルで列車種別は「超特急ひかり」と当時を知る世代には懐かしく知らない世代には新鮮なサボが再現されています。 10月25日発売予定
▲4号:DD51形ディーゼル機関車 寝台特急「北斗星」 特急から貨物列車まで幅広く活躍したDD51形のうち、国鉄からJR北海道に継承ののち特急「北斗星」牽引機となった仕様で模型化。北海道の列車では必須の装備であるスノープラウからキャブ側面の区名札まで北斗星の牽引機としてのディテール表現が詰め込まれています。 11月8日発売予定
▲5号:183系クハ183形1000番台 特急「とき」 直流特急電車183系のうち耐寒耐雪仕様の1000番台のモデルです。40年前、1982年11月に上越新幹線が開業するまで在来線の上野~新潟間で運転されていました。立体的なパーツで再現された室内の空調を司ったクーラーやベンチレーターなどの屋上機器は注目すべきディテール表現です。 11月22日発売予定
▲6号:EF66形電気機関車 寝台特急「あさかぜ」 EF66形は高速貨物列車用に開発され、美しい車体デザインで人気が高い電気機関車です。1985年からは東海道・山陽本線でブルートレインも牽引したその姿を再現。前面部の誘導員手スリや解放テコなど東京駅での機回しを思い起こさせるパーツも立体的に仕上がっています。 12月6日発売予定
▲6号のEF66形のパンタグラフは菱形のPS17を再現。上下させることもできます。
「鉄道車両 金属モデルコレクション」の特徴は、縮尺を1:87としたことです。このサイズは、鉄道模型として走らせるには広いスペースが必要となり、日本の住宅事情を鑑みるとなかなかハードルが高いですが、ディスプレイモデルとして楽しめる本製品は、1:87サイズのコレクションを半ばあきらめていた方にも新たな選択肢となるのではないでしょうか。外観のディテールはもちろん、各部の標記や表示、インテリアも再現されているので、いろいろな角度から眺めて楽しめます。
▲創刊号の485系クハ481形100番台と6号の0系21形を同じ倍率で比較。在来線と新幹線の違いを改めて実感します。
シリーズを通して縮尺を1:87で統一し、ゲージは在来線が12mm、新幹線が16.5mmと実車同様に異なります。走行する鉄道模型は線路システムを共用するのが一般的で、たとえばNゲージではゲージを9mmに揃えたうえで縮尺は在来線車両が1:150、新幹線車両が1:160です。しかしながら、本シリーズは展示専用モデルなので線路を共用する必要がなく、発想を切り替えてゲージを含めた縮尺の統一が実現しています。モデルを固定している専用台座には、在来線と新幹線それぞれのゲージで線路の形状がモールドされており、線路のディテールまでもが再現されている点も、見逃せません。
重厚感抜群で精密な本シリーズの価格は創刊号が2,990円(税込)、2号以降が6,980円(税込)。内容から見て、なかなかリーズナブルだと言えるのではないでしょうか。2週間に1両ずつコレクションが増えていくことを想像すると、わくわくしてきますね。
▲創刊号のパッケージ。これが9月27日から書店に並びます。
精密な金属製鉄道車両をコレクションしていく本シリーズには、毎号にマガジンも付いています。それぞれのモデルの実車の写真や解説に加え、鉄道にまつわるさまざまなトピックスを取り上げていくので、読み物としてもなかなかの価値がありそうです。
気になるのは、今後のラインナップ。ここで紹介した1~ 6号以降、すでに発表されている15号までのラインナップだけでも、C62形蒸気機関車や新幹線500系電車などの歴代の名列車が目白押し。これが80号まで続くとなると、以降の製品発表も楽しみの一つになるのではないでしょうか。
自宅に1:87の世界を作り、そこに多彩な鉄道車両が並んだミュージアムがオープンするという、夢のようなことがこれから実現します。
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