185系

特集・コラム

暫定開業が生んだ“記憶に残る”列車。「リレー号」を振り返る

2022.08.27

 先日発表された「新幹線リレー号カラーの185系で撮影会を開催」というニュースが、鉄道ファンの注目を集めています。人気の185系の5編成並びもさることながら、やはり「新幹線リレー号」というキーワードが効いているのではないでしょうか。

185系200番代14両で運転された「新幹線リレー号」。 ‘82.11.14 東北本線 鶯谷 P:松尾よしたか

 では、「新幹線リレー号」とはどういった列車だったのでしょう。
 その始まりは1982年、東北新幹線大宮-盛岡間の暫定開業に際して、上野駅と大宮駅を結ぶ専用列車となります。つまり、それまで在来線特急の始発駅だった上野駅から大宮駅へのピストン輸送がその目的でした。

乗務員訓練のため下十条電車区に入区した185系200番代。 ‘82.2.28 下十条電車区 P:細矢和彦

 営業上は新幹線の延長として位置づけられ、発着ホームもそのほかの路線とは区別されたことからも、「新幹線に乗るために仕立てられた」という目的が明確に伝わってきます。
 185系「新幹線リレー号」は、1985年の東北・上越新幹線上野開業にともなってその役目を終えますが、秋田新幹線の開業直前に設定された「秋田リレー号」や、九州新幹線「つばめ」と接続するための「リレーつばめ」など、その後もリレー号の名はたびたび復活し、ファンの熱い視線を浴びてきました。
 また、9月に開業予定の西九州新幹線にも、山陽・九州新幹線からのアクセス性向上を目的とした「リレーかもめ」が、博多-武雄温泉間で運行されます。新路線や限定路線誕生の折に登場する「リレー号」は、これからも鉄道愛好家の記憶に残る列車として語り継がれていきそうです。

新幹線リレー号の案内幕と、引退が迫るL特急「やまびこ」。当時、上野駅33分発といえば「はつかり」「やまびこ」「やまばと」だった。‘82.6.21 上野駅14番線 P:采女 誠

 鉄道ホビダスにこれまで投稿されてきた「リレー号」の数々は、ギャラリーにてお楽しみください。

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