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特集・コラム

「駅」を訪ねて…未来がココにある、新駅その2!「ひたちなか海浜鉄道 美乃浜学園駅」

2022.08.15

取材日:’21.11.2
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル 取材協力:ひたちなか海浜鉄道

 隔月刊行時代のレイル・マガジンで連載した「シーナリー散歩」。WEB編は「『駅』を訪ねて…」に再構成してお届けしています。2022年1月号では、茨城県の第三セクター鉄道・ひたちなか海浜鉄道を取り上げました。WEB編ではひたちなか海浜鉄道に経営移管してから開業した2つの駅を見ていきましょう。今回は前回の「高田の鉄橋駅」につづき、2つ目の新駅「美乃浜学園(みのはまがくえん)駅」をご紹介します。

前回記事(高田の鉄橋駅)はコチラ

レイル・マガジン2022年1月号(452号)書誌情報

小中一貫の市立学校のための新駅…美乃浜学園駅
 この駅は2021年3月13日に平磯~磯崎間に開業したばかりの、路線中最新の駅です。もともとこのあたりはサツマイモ畑が一面に広がっていて、周囲には他には何もないような場所でした。海岸沿いに線路は北上していますが、台地状の高い位置を走っており、海自体を見通すことはできません。

▲夕刻の下校時刻。鉄道で登下校する生徒たちにとっては、心象風景になりそうな情景。

▲駅ホームに入線してきた阿字ヶ浦行き下り列車。

▲ホームの反対側には一面にサツマイモ畑が広がっています。

▲例の独特の書体の駅名板。海の波模様、学校名の語源となった万葉集の和歌、校舎屋上にあるソーラーパネル、三味線とスカシユリが盛り沢山に描かれています。

▲ホームの下り方にはバリアフリーのスロープも設置されています。

ひたちなか海浜鉄道で通う9年間の学校生活
 さて、一見私立のような学校にも思える美乃浜学園は、前述の通りひたちなか市立として2021年に開設されました。沿線の平磯、磯崎、阿字ヶ浦地区の小中学校が統合して誕生したもので、少子化に伴う学校再編と2011年の東日本大震災で学校施設が被災したことがきっかけだったとのこと。

 「美乃浜」という名前は、万葉集に収められた和歌でこの地区の海岸を「許奴美乃浜(こぬみのはま)」と謳われていること。また、平磯・磯崎・阿字ヶ浦の3地区に共通する美しい海という意味を込めているそうです。

 無人駅ですが、登下校の時間帯に鉄道職員が派遣されて、ホーム上の安全確認が行われています。当地の子供たちにとって、ひたちなか海浜鉄道で通った9年間が実り多きものであることを、思わず願ってしまいました。

▲駅前には最小限のロータリーが新設されていますが、商店街のようなものはまだ一切ありません。畑の向こう側に、美乃浜学園の校舎が見えています。

▲真新しい校舎や体育館の施設。

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