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「機関車」から「電車・気動車」へ…。JR東日本・GV-E197系&E493系事業用車、報道公開!

2022.05.27

text & photo:RM
取材日:’22.5.27 場所:尾久車両センター
取材協力:東日本旅客鉄道

 2021年に登場し、これまで1年以上に渡って試運転などを行ってきたJR東日本の事業用車2系列が初めて報道公開されました!

左がE493系、右がGV-E197系。

 電気式気動車のGV-E197系と、交直流電車のE493系。電車と気動車ということで走行メカニズムはまったく異なりますが、外観は敢えて共通性を持たせており、スマートなステンレスボディに機能性を優先させた前面デザイン、カラースキームもほぼ同じです。両系列は使用用途も異なりますが(一部共通の用途もアリ)、ほぼ同時に登場させたことには理由があります。

 JR東日本では、国鉄から引き継いで今も事業用などに使用している機関車の使用を取り止め、こうした電車・気動車に置き換えることを目指しています。既に機関車を使用する定期旅客列車が存在せず、同社の大量の車両群の中で機関車が占める割合がごくわずかになってしまい、そのために特殊な取り扱いを乗務員に訓練することが非効率になったこと。また、保守の面でも特殊な部品・特殊なメンテナンスが負担になりつつあったこと。そしてもちろん、国鉄時代以来の経年を考慮すれば、後継車を本格的に準備する時期に来ていたこと…などが、今回の2系列が登場した経緯と言えます。

E493系事業用交直流電車
 現在、EF64形やEF81形が担っている車両の配給輸送や工場入場の際の牽引を置き換える目的の車両です。クモヤE492形+クモヤE493形の片運転台車2両固定編成で、先頭部には双頭連結器を装備。2両1編成で電車の基本編成10〜11両を牽引できる性能を持っています(190kW✕8=1,520kW)。

▲側面の機器搬出入口ハッチがものものしい印象。片運転台で2両固定編成、牽引定数に応じて2編成併結で牽引する計画。

▲双頭連結器、スノープラウ一体型スカート、多数のエアホース・ジャンパ栓などが武骨な印象を醸し出しています。

▲主変換装置などの機器類が車内に搭載されています。

▲随伴者が乗り込むスペース(GV-E197にも同様のスペースあり)。

▲左片手ワンハンドル型のマスコンハンドルを装備。モニターの類は最小限。

GV-E197系電気式気動車
 現在、DE10形などの機関車とホキ800形が担っているバラスト用砕石輸送を置き換える目的の車両です。編成両端に動力車のGV-E197形、中間4両に付随車のホッパ車GV-E196形を連結する6両編成となっていますが、GV-E197形は両運転台であり単独でも運転可能。1~3両連結で非電化区間における車両の配給輸送牽引にも使用する計画です。GVの出力は2両で110kW✕8=880kWで、250tぐらいが牽引の目安。

▲編成前後のGV-E197形は両運転台式。屋上にパンタがないことを除くと、E493系にもよく似ています。

▲電気式気動車なので、こちらも車内に主変換装置を搭載。

▲車内床板は縞鋼板、仕切り壁面に供給ダメのエアタンク。

▲GV-E196形は、ホキ800形によく似た形態。1両あたり30tの砕石積載可能。デッキ上には機器箱が設置されています。

▲GV-E196形のデッキ上のアップ。ホッパの操作はここで行い、動力車からの遠隔操作機能はありません。

▲線間散布装置(スクリュー)を駆動するモーターを床下に設置。

▲こちらも先頭部の連結器は双頭式。スカートの塗色がライトグレーとなる点がE493系と異なります。

▲GV-E197の運転台。こちらも左片手ワンハンドルマスコン式。

 両系列とも、現時点では1本ずつの量産先行車しか落成しておらず、今後の量産車製造にあたっては試験の実績がフィードバックされるとのこと。とはいえ、ほぼ所期の成績は達せられており、基本的にはほぼこのまま量産に入るとのことでした。

 国鉄型機関車の先行きも気になるところですが、新しい「縁の下の力持ち」の活躍にも期待したいところです。

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