modeling:深沢 誠
photo:羽田 洋(特記以外)
2018年にTOMIXから発売されたEF67 100番代。製品は「更新車」と銘打たれており、更新後、パンタグラフがPS22に戻された近年の姿となっています。ラインナップは一般的な形態である102〜105号機をイメージした「更新車」と、スカートの形状が異なる「101号機・更新車」の2種類が用意されました。そんな製品を今回はお手軽加工でイメージアップしてみました!
■そもそもEF67って?
▲1エンド側から見たところ。貨車を後押しする側となり、緩衝材が組み込まれた小型のデッキが物々しい雰囲気を醸し出している。 P:RM
西日本屈指の急勾配区間である山陽本線の瀬野〜八本松間、通称「セノハチ」は古くから補機が必要とされる区間で、現在でも貨物列車だけは補機を連結して運行されています。EF67 100番代はこの区間専用の補機としてEF65 0番代より改造された形式です。
登場は1990(平成2)年で、これまでのセノハチ歴代補機形式が装備していた仰々しいデッキは簡易的なものとなりましたが、塗装は0番代から続くもみじをイメージしたとされる赤11号を受け継ぎました。極め付けは2003(平成15)年に実施された更新工事で角形テールライトに変更され、他に類を見ない顔つきとなりました。
■お手軽加工でイメージチェンジ!
製品は前述の通りPS22を装備した近年の姿がプロトタイプでしたが、TOMIX製EF210用のパンタグラフ「品番0241 FRS4」に交換することで簡単にシングルアーム時代を再現することができます。作例では「101号機〜」のパンタグラフを交換。オマケとしてモリヤスタジオ製のヘッドマークを取り付けて広島工場公開をPRするヘッドマークを再現しました。
■特定号機にグレードアップ!
「更新車」製品はもうちょっと手の込んだディテールアップをしてみました。製品は102〜105号機のナンバーが収録されていますが、今回は103号機を選択。まず、製品では省略されている屋根のランボードのグレー塗装を再現(製品のような赤一色は101号機のみ)。パンタグラフは個人的な好みでKATO製のPS22(品番3061-1F)に交換しています。ちなみにこちらはほぼ無加工で取付可能です。
連結器廻りはTNカプラーを装備していますが、スカートの開口部が大きすぎるきらいがあったため、1エンド側(緩衝器側)はプラ材で開口部を縮小。普段連結器を使用していない2エンド側は思い切ってダミーカプラー化してみました。おかげでかなり実感的な見た目にすることができました。
その他、エアーホースと2エンド側のATS車上子防護板は銀河モデル製パーツを取り付け、誘導員ステップには黄色を色差ししてアクセントとしました。なお、ダミーカプラーはGM製東急5050系用のバルクパーツを使用しています。
また、窓や車体断面などをエナメル塗料でタッチアップ。信号炎管やアンテナ、配管、手スリ類なども実車に即して色差ししました。車内は、運転台周りの内装パーツに色差しを行なった他、動力ユニットにはカモ井のマスキングテープ「若緑」を貼って内装色を再現。窓から覗く緑色がとても効果的です。
最後に製品状態では妙にツヤがある気がしたので、半ツヤクリアーを吹いて仕上げとしました。
■おわりに
▲「EF67形式直流電気機関車 さよならセレモニー」が行なわれた時のEF67 105。引退を記念した特製ののヘッドマークが取り付けられ、有終の美を飾った。 P:RM
2022年3月に広島貨物ターミナルにて、最後まで残った105号機を使用した「EF67形式直流電気機関車 さよならセレモニー」が行なわれました。今後は本務機兼用となる青色塗装のEF210 300番代にその座を譲り、広島らしい「もみじ色」を纏った補機専用機は見納めとなりました。しかし、模型の世界ではこれからも「セノハチ」の「坂の下の力持ち」として活躍を続けてくれることでしょう。
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