modeling & text:瀧口宜慎(RMM)
photo:羽田 洋
2018(平成30)年春、JR北海道に新たな軌道検測車マヤ35-1が登場しました。国鉄時代から継承されていたマヤ34の後継車として、続く形式番号が与えられました。しかし、その外観は独特で、北海道新幹線H5系を思わせるエメラルドグリーンにホワイトとオレンジの帯を巻き、そして何より車体の窓の数は極端に少なく、妻面も貫通扉部以外に窓はありません。そんな特異なマヤ35をNゲージで再現してみることにしました。
■たった1両の珍車を模型に
車体は近年のJR東日本の特急車に見られるような断面を持っていますが、ベースとなっているのはE491系「East-i-E」と同様の構造で、JR東日本の特急車両群より一層低い車体となっています。
このマヤ35は窓がほとんどない車体ということもあり、思い切って窓をはじめ、側面のドアや機器搬出入蓋などのディテールを作図し、デカールとして貼り付ける表現としてみました。
ベースはKATO製E257系のサハE257。比較すると車体高はやや高く、車体長は800mmほど短いですが、屋上の機器類がほとんどなく雰囲気が似ているのでこの車両としました。種車の側面窓や客ドアはプラ板と瞬間接着剤で埋めたのちに耐水ペーパーで水研ぎ。その後、サーフェイサーを吹いて平面性を確認し、残る凹みはポリパテを盛り付けて乾燥を待ち、再び水研ぎ。この時修正箇所のパテを削って壊さないように石鹸を耐水ペーパーの砥面に塗り優しく研ぎます。この作業が終わったら、ホワイトサーフェイサーを吹いて平面性を確認し、問題がなければ塗装工程に移ります。
■塗装について
最初に車体中央の帯となる白色を吹いて、タミヤの曲線マスキングテープ3mm幅を2本重なるように4.5mm幅で平行にマスキングし、エメラルドグリーンの車体色を吹きます。エメラルドグリーンはGM[36]の青緑1号を4、白色を1の割合で調合したものです。
■側面ディテールを作図して貼り付け
側面の窓やドアのディテールは姉妹誌『Rail Magazine』419号(2018年8月号)掲載の竣工図を参考に、サハE257の側面に合うように調整しパソコンで作図しました。窓と扉のディテールはELECOMのタトゥーシール(透明)にインクジェットプリンターで高精細設定の印刷、オレンジの帯は同じタトゥーシールの白色のものに印刷し切り出して貼っています。
■その他の工作
屋上には発電機搬入口の大きな蓋と、その車端部寄りに消化剤のハロン排出ダクト、そして妻面上部には後部標識灯のライトケースがありますが、これらはプラ板から切り出した自作パーツで作りました。
また、t0.3プラ板を細切りし雨樋配管としたものを妻面に貼り付け、貫通扉のE257系の細長い窓を一度埋めて、改めて窓穴を開口しています。また、キハ40との連結用ジャンパー栓納めは印刷したデカールで表現しています。
カプラーはTOMIXのキハ40との連結を考慮して、TNカプラーに交換しています。床下は元のサハE257の台車の下側に1mm角プラ棒で作った検測梁を接着し、その他はプラ板等で簡易的に機器類を表現して完成としました。
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