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特集・コラム

「駅」を訪ねて…廃線跡と保存車両…歴史を感じる「流鉄 平和台駅」【シーナリー散歩】

2022.04.17

取材日:’21.12.28
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル

 レイル・マガジンで連載した「シーナリー散歩」(誌面連載はレイル・マガジンの定期刊行終了により完結)。WEB編は新タイトルを『「駅」を訪ねて…』として展開致します。今回は前回の流山からひとつ目の平和台駅を見ていきます。

レイル・マガジン2022年3月号(453号)新刊情報

●流山総合運動公園の保存車・キハ31
 と、その前に流山市内に貴重な過去の流山電鉄の車両が大切に保存されているので、ぜひ見ていきましょう。流山総合運動公園(つくばエクスプレス・流山セントラルパーク駅最寄り)で、流鉄沿線からはちょっと歩ける距離ではなく、取材時はタクシーを利用しました。

▲かつての流鉄は非電化で、旅客用としてガソリンカーを使っていました。その大変貴重な保存車・キハ31です! 1933年・汽車会社製の2軸車で、電化後は付随車として活躍していたので、保存車にもエンジンは付いていません。

▲気動車時代は前後にバケットを持っていましたが、付随車化された時にそれを廃し、その分車体を延長したと言われています。

▲説明板。RMライブラリー「流鉄(上・下)」の著者でもある白土貞夫さんのお名前が。

▲隣にはなめくじ型のD51 14も良い状態で保存されています。

●平和台の駅を見る
 さて改めて駅に戻って、観察していきましょう。1面1線の棒線ホームで、駅舎は意外に近代的な形態。そして駅前は開けた印象で大規模なショッピングセンターがあります。

▲平成初期に、駅前に大きなショッピングセンターができて面目一新。駅舎自体も近代的なタイル張り様式となっています。

▲線路を挟んで反対側の公園から駅ホームを見たところ。広告看板がまばらになっており、よく見えるようになってしまいました…。

▲タイル張りの駅事務室と出札口。

▲ホームの流山寄りは後年延長された部分で、非常に狭く、それに応じて屋根の幅も驚異的に狭いです。風のある雨天時はあまり役に立たないような気がします…。

▲ホームの壁面には、かつての短く・低い時代のホームの痕跡が見て取れました。

▲ホームの先、流山寄りに見かけた資材置き場の簡素な屋根。踏切遮断桿の予備が置いてありました。

「りょうまつしょう」の後始末
 前回の流山駅には、キッコーマンのみりん工場への専用線跡がありましたが、この平和台駅にもかつて専用線がありました。前述のショッピングセンターなどの一帯の敷地が、かつて陸軍の流山糧秣廠(軍馬の飼料などを加工・貯蔵する施設)で、そのための専用線が、駅の馬橋寄りで分岐していたのです。

▲平和台駅の馬橋寄りから、駅を振り返ったところ。右に逸れていく本線に対し、かつての専用線跡はまっすぐ撮影者側に延びていました。

▲上の写真から180度振り返ったところ。撮影地点は既にかつての線路跡の部分のようです。

▲昭和時代の後半まで、専用線の線路が残っていたのですが、今は再開発が完成し、痕跡はほとんどない状況です…。写真は跡地に建てられている団地。

▲跡地にはホームセンターやスーパーマーケット、ファミリーレストランなどの商業施設も広がっています。

▲線路から見て敷地の反対側、県道沿いの場所に、記念碑が建てられています。

▲説明板。

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